「夏休み最後」
昨日の夜兄貴が帰って来て
『ひでー怪我のくせに顔だきゃなんもねーな
無傷の龍神とか言われてんだろ?』
俺は
『まあ、顔殴られんのムカつくからだけど』
兄貴は『ふん、生意気に』
俺は『オヤジ元気だった?
力也さんから連絡あったよ』
兄貴は『ああ、聞いたよ、元気だったな
相変わらずだ、オメーがグレてねーか見に来るってよ』
俺は『えっ、喧嘩してるくらいだよ、
勘弁してよ、こえーんだよ』
『オヤジは俺にも止めれねーな』
ふーと深呼吸をして
『ねー、香織ちゃん待ってるかもって』
兄貴が『誰が!?』
『香織ちゃんの後輩、連絡したら?』
兄貴は
『1年半も待たせて、どのツラ下げて
会うんだバカが』
『俺、1年待ってた人知ってるよ、
出て来たのも知らないの可哀想じゃん』
兄貴は『うるせーな』
と隣の部屋に行った
俺は起きてボーっと
タバコに火をつけると、PHSに着信があった
歩かと思ったら矢田だった
俺は(何だよテメーくだらねー事か?)
矢田は(ちょっと時間ある?)
俺は(何だっつってんだよ切るぞ)
矢田は(本当にちょっと相談なんだけど)
俺は(じゃー来いよソッコーな)
とガチャ切りした
何なんだ最近は、あいつも浮かれて
やがったら殴ってやろう
ピンポーンとチャイムが鳴り
ばあちゃんが出ようとしたが
『俺が出るわ』と言い
矢田が
『ごめん急に、これお土産なんだけど』
紐で結んである立派なスイカだった
俺は、はっはっはと笑い
『スイカっておばちゃんか』
矢田が『俺の家スーパーだから』
と言い、ふっと笑うと
兄貴が後ろから
『おー気がきくじゃねーか、
いい親だな、お礼言っといてくれ』
矢田は慌て過ぎて
『あっあざます、陸に喧嘩教わりに来て、
すみませんでした』
となぜか謝った後、腰が抜けて土下座
のような体勢から立てなくなっている
俺は『お前喧嘩教わりに
行くって言ってきたの?』
矢田は『あっうん』
俺は『へー珍しいな、男は強くってヤツか』
兄貴は、はっはっは
『おもしれーヤツだな、お前面倒
みてやれよ、スイカの礼もあるしな』
兄貴が『おい、右のテンプル』と言い
“ドカッ"
上段後ろ回し蹴りを入れてきたのを
両腕で体勢を崩しながらギリギリで受けた
兄貴が『今の覚えとけよ、スイカ坊主』
矢田は『はい!!すみませんでした!!』
俺は
『痛ってーギリギリだよ、その足の震え
何とかして矢田とりあえず立てよ』
矢田は『ちょっ手貸してくれ』
俺は『もーうぜーなー何なんだよ』
ばあちゃんにスイカを渡し
俺たちは外に出た
矢田が
『あービビったー、やっぱ圧力すげーな、
あの蹴り普通に避けれた?』
俺は
『バカは普通に見えるのか
上田さんでもあれで一発だ』
矢田は『えっ⁉︎総長の?あれ使いたいな』
俺は『簡単に言うな』
矢田は
『教えてよ、カッコよかったなー怖いけど』
俺は『聖川でもビビって家に来る前に
兄貴がいるか確認するからな、
時間かけて柔軟しなきゃ無理だぞ』
矢田は『俺さ、このまま卒業まで
いくと、どうゆう立場だと思う?』
俺は『このままだろ』
矢田は『強くなりてーんだよ
特訓付けてくれよ、頼むよ!』
ただ疑問があった
俺は『何で俺なの?光ちんでも龍善でも、
聖川達だっているじゃん』
矢田は『俺は前から1人で突っ込んで、
喧嘩も綺麗にするの憧れてたから』
俺は
『ふーん、兄貴にも言われたしなー、
暇な時ならいいけど』
矢田は『悪い、ありがとう』
俺は『じゃあ立て、やるぞ』
矢田は『今から?その怪我で?』
俺は『遠慮すんなハンデだ』
と言い左腕なしでのやり方を教える事にした
矢田は今まで悩んで本なども
読んで頑張ったんだろうが実際は
相手が色んな動きをする
どれだけジャブを速く打っても
どこにいつ打つのが分かれば避けれる
顔に軽くても衝撃を与えれば
目をつむって、スキが出来て
終わりだ
フェイントを入れて
動かない腹も殴れ
大振りはやめろ、
柔軟と筋トレを週4でやれ、
などで初日は終わりにしようとしてた
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