『ごき大将きれる』 3

やましん(テンパー)

『ごき大将きれる』 3

 『これは、フィクションである。』




 ねこママの店である。


 ごき軍団のミサイルは、思ったほどの効果を発揮できなかった。


 理由は、宇宙ごきの重力コントロール装置が、意外にも脆くて、ミサイルの生み出す重力に耐えられなかったらしい。


 はやいはなし、ごみになった。


 『まあ、恥ずかしいにゃ。人類に、また、笑われたにゃ。』


 『やれやれだなあ。』


 『やましん、どっちの味方にゃんこ。』


 『はあ? そんな、ごむたいな。』



 そこに、ごき大将が、よっこらしょ、と、あらわれた。


 『ごきごきごき。進歩に失敗は、つきもの。まだまだ、次がある。』


 『はあ、大将さん、うちの地下に、まだ、なにか作ってるの?』


 『ごきごきごきなあ。つぎは、『拡散疲労砲』と、『超光速ミサイル』を、使うごき。『拡散疲労砲』は、やましんさんの、発案ごき。』


 『あら、そうでしたか。』


 『そうごき。自分が書いたものを良く見るごき。『くだばれやましん』の第19話に出てくるごき。』『膠着』という、だれにも理解不能と言われた超未来派的詩作にも出てくるごき。相手方の読もうという意欲を排除してしまう(🤯)、極めて効果的かつ恐るべきな武器ごき。さらに……』


 『まだあるにゃんか? ごき軍団の兵器は、どこか、抜けてるのが楽しいにゃ。』


 『ごきなに〰️〰️〰️! のらねこ軍団も、けっこう、ユーモラスではないかごき。『にんげんじゃらし砲』とか、あったごき。』


 『そこが、愛されるにゃ。ごきは、愛されるかにゃ?』


 『むむむ。まあ、よい。もうひとつ、新開発のミサイルがある。超光速ミサイルごき。これは、光速の二倍でとぶ。』


 『え、そりゃ、すごいですね。光速の二倍でとぶ。って、はあ、どうなる、因果関係より早くなるのかな?』


 『さよう。スイッチを押す前に、着弾するのだ。まだ、実験段階だが、一月以内に、実用化になる。ごきごきごき。』


 ごき大将は、そう、言い残して、去って行った。


 『大将さん、ちょっと、ぼけたかにゃ。』


 『ふうん。しかし、それは、不気味だ。やはり、ごきさん、こわいな。』



 やましんは、深く、つぶやくのであった。




             おしまい

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