第21話
それから月日が流れ退院の日になった。まぁ一週間しか経ってないんだけどね!傷口は呪術で少しづつ塞いでいたからただ月日を待つだけだった。もう少しで夏休みにはいるがその前にテストがある。まぁ病院で腐るほど時間があったからしっかり対策したが。
「退院おめでとうお兄ちゃん」
今日は平日なこともあり、香織達は学校だ。明子は家族だからと言って休むことができた。まぁ休まなくても毎日会っていたから、休まなくてもよかったと言ったんだが、荷物があるから一人じゃ大変でしょってことで結局了承した。さすがにあの参考書と呪術本は多いからな。
「ありがとな。それにしても先生傷口が塞がるのが早いと驚いていたな」
「そりゃ呪術を知らない人がみたらそう感じるよ」
「本も最近売れてるし結構知られてると思っていたんだがな」
素人でも扱える呪術本は最近のブームになっている。だからしょっちゅう呪いをかけてきたりするから勘弁してほしいものである。呪いの本は裏サイトで売買されてるらしい。国はそれを止めるべきだが、政治家が陰陽師を使って政敵を呪ったりしてるからそれができないのだ。
「まぁいいやラーメンでも食べに行くんでしょ」
「久しぶりにちゃんとしたラーメンが食べたいからな。カップラーメンもいいが、やっぱお店ででるラーメンは違うからな」
辛味噌が食べたい。この前食べれなかった雷門の辛いラーメンが食べたい。俺の舌は辛いラーメンを求めている。次は強盗に襲われるってことはないよな?一応呪符は持ち歩いておくか。一度あることは二度あるっていうしな。持っていて損はない。
「それじゃ雷門に行こう」
「そうだな。あそこの辛いのは絶品だからな」
なぜ俺が雷門に行きたいのか分かったのは襲われた場所がそこで、なおかつ俺が一回食べ損なった場所は行きたがる性格を知っているからだろう。
千葉大学病院を用意を終えてでると、担当してくれた医者や看護婦さんが入り口の外まで見送ってくれた。
「本当にすごい回復力だね。心臓刺されて起きてるのもすごいけど」
「呪術のお陰ですよ。今見せますね」
俺呪符をもって呪文を唱えて霊力は少なくして、呪術を展開する。すると呪符からライターくらいの炎がでる。お医者さん達は驚いて、感嘆の声を出す。テレビではよくみるが実際にみることはそんなにないからな。珍しさもあるのだろう。
「科学では証明できない不思議なものだよ。これがあればもっと多くの人を救える。よければ回復系呪術を僕に教えてくれないかい?」
「いいですよ、これ連絡先です。それじゃありがとうございました」
「元気でね。今度は入院することにならないようにね」
俺達は病院をでると、電車に乗り千葉駅に向かった。夜はサイゼがいいな。あのコスパの良さは日本のチェーン店でもトップクラスだろう。本当に儲かっているのか心配になるレベル。
「夜はサイゼでいいか?」
「今日はお兄ちゃんの退院日だからね。好きなところに行くよ。でもサイゼを選ぶ辺りお兄ちゃんらしいね」
「あそこのコスパの良さは最高峰だからな。それに日常に戻った感じがするしな」
体温したら日常が戻ってくる。病院での生活も良かったが、やはり家で過ごすのが一番だ。家でぐうたらすることがやはりいいからな。大学を卒業したら働かなきゃいけないし。今も投資をしてるからある程度を稼げてるが、投資は何が起こるか分からないから、ある程度別の稼ぎもほしい。
「お兄ちゃんの日常だもんねサイゼは。毎週行っていたし」
「あそこのペペロンチーノは別格だからな。そりゃまぁ本場のイタリアンには敵わないかもしれないが、あの値段であのクオリティなら十分だろう」
お金もあるからイタリアにも行ったことがあるが、あそこは別格だった。そりゃ本場とファミレスを比べるのは無理だろう。だがサイゼは日本のイタリアンレストランの中手も美味しいほうに入る。
「そうだね、サイゼは学生の味方だしね。千葉駅に着いたよ」
「それじゃラーメン食べたあとに、アニメイトにでもよるか」
「その後ゲーセン行ってもいい?プリクラを撮りたいな」
プリクラか、この前撮ったばっかりだな。だが久々に明子と二人で撮るのも悪くない。香織と二人きりで撮ることはそれなりにあるが、彼女ができたことを想定して、スキンシップを撮ってくるからドキドキなんだよな。
「いいぞ、ゲーセンで欲しいものも取ってやる」
「お兄ちゃんユーホキャッチャーうまいからねー。あったら八幡のぬいぐるみが欲しいな」
目の腐りもチャームポイントになってそうだな。それだけぬいぐるみはかわいく作られているってことだ。夏目のぬいぐるみがあるといいが。
「それにしてもプリクラってなんであんなに加工するんだろうね」
そりゃまぁ元々が日し養女のやつには関係ないかもしれないが、大体のやつがかわいく写りたいってなるから加工をするようになったんだろ。やりすぎ感は否めないが。
「かわいく写ってほしいからだろ。たから女子高生に人気なんだろ」
ほんとプリクラだけじゃ可愛さは伝わらないよな。そして俺たちは千葉駅に着いた。俺は辛さを堪能したい。いつもより早足で雷門に向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます