第16話

呪術本を闇終えて暇になった俺はためしに炎の呪術を手のひらサイズに使ってみた。するとぼっと炎のでる音がして手のひらサイズで炎がでた。へぇー結構便利だな。これ。なにかを暖めるときとかに使えそうだ。雷とかもあるがこれは病院でできないから、退院したら試してみよう。それから俺は眠くなったので寝ることにした。


朝起きると、看護婦さんが微笑んでいる。なにかいいことでもあったんだろうか?


「これ朝食ですよ」


「ありがとうございます」


病院食って味が薄いんだよな。ラーメンが食べたい。結局ラーメン食べれずじまいだったし。

辛いのが食べたいなぁー。


「それじゃ私は仕事に戻りますね。何かあったらナースコールを押してください」


分かりましたと言うと、看護師さんはでていった。今日は勉強でもするか。


フランス語は毎日触れないとな。語学は継続が重要だからな。


まず朝食を食べて、味が薄いなと思いながらも食べ終わり片付けが来るのを舞っている間勉強をしようと思った。



俺はフランス語の参考書を開くと勉強を始める。いちいち動詞が変化するのが面倒だな。特に形が全く違うのに変わるやつは。まぁ覚えれば英語よりも簡単なんだが。しっかりとしたルールがあるし。すると看護婦さんが朝食を片付けに来た。


「へぇーフランス語を勉強してるんだねぇー。私は学生時代にフランス語には苦労したよ。さすが渋幕生だね。頭のできが違うよ」


「ルールさえ覚えれば簡単ですよ。実際に偏差値高くなくてもフランス語を喋れる人はフランス語を専攻してる人なら結構いますし」


「そうなんだねぇー。大学受験はフランス語でやるの?」


「まぁそうですね。フランス語で受けますよ」


俺は英語が苦手で、フランス語を学べる渋幕に来たんだし。それにフランス語はリスニングがないから難易度は下がる。だからフランス語を選んだってのもあるが。東大に入りやすいし。まぁ音の美しさに惹かれたというのもあるが。


「頑張ってね。それじゃ私はそろそろ仕事に戻るねぇー」


そう言って看護婦さんがでていった。だか近くに瑞己の霊力を感じた。しかも結構乱れている。期待と不安がごっちゃまぜになっているのか。なにも後遺症が残ってないかとかか。


「徹先輩!本当に起きてる!もう心配したんですからね?」


「その際はごめんな」


瑞己は俺の胸元に抱きついた後嗚咽を漏らした。これ何回もやっているな。まぁ無理はないか。目の前で心臓付近を撃たれたんだから。俺もこれが親しい奴だったら気が気ではないだろう。


「ぐすっもうほんとですよ。まぁ命をはれる程優しいのは徹先輩らしいですけど」


そんなに優しくないぞ。大切な奴が死にそうになったら助けるだろ。あれが他人だったら俺は助けてないだろう。だから俺は優しくなんてない。人を選ぶんだから。


やがて離れると、俺にカップラーメンを渡してきた。


「お、これ辛味噌じゃん。よく分かってるな瑞己」


「この前は食べ損ねましたから。味が薄い病院食じゃ満足できないと思いまして」


お湯はどこで沸かせばいいんだ。探せばあるか?だが病院でカップラーメンなんて食べるやつなんているか?


「ポットも持ってきましたよ」


「さすがだな。いって先を読むなんてな」


頭がいいだけはある。瑞己は渋幕の中でも成績はトップレベルで東大に受かると言われている。ちなみに香織はトップだ。あいつは文武両道だからな。香織ほど完璧な人間はいないだろう。あのセクハラ癖を抜いたらだが。


「ふふ、ありがとうございます」


「それにしても重くなかったか?」


「電車で来たのでそこまではないですね」


「そうか、ありがとな」


俺は笑顔を見せると瑞己は顔を赤くした。そんなに照れること言ってないと思うんだが。まぁいいや、瑞己って下劣な視線を浴びるのが嫌だからか、いつもおとなしめの格好をしているよな。清楚というような。


「それでマッカンは買ってきてくれたか?」


「はいこれですよ六本買ってきました。でも一日一本にしてくださいね」

 

まぁ糖尿病になるからな。そしたらマッカンを飲めなくなるから本末転倒だ。だから制限を受ける。マッカンを飲めないとかエサを目の前にして食べれない犬のように辛いからね。


「分かった。んじゃカップラーメンでも食べるか」


俺は容器を開けて、お湯をいれると、三分間待って、ラーメンの味噌などをいれて、いただきますと言って食べ始めた。


「ああ、これだよ。この喉に絡むような辛さ。やっぱ仙台辛味噌は最高だよ」


いつか仙台に行って本場の辛味噌を食べたいものだ。きっとカップラーメンより辛いのだろう。お金はあるから夏休み辺りに食べに行くか。もちろん香織をつれてな。


「徹先輩私も行きますからね」


「さりげなく心を読むなよ。びびっちゃうだろう」


「顔が分かりやすいんですよ。香織先輩だけいい思いなんてさせません」


「泊まりで行くのに親御さんは賛成してくれるのか?香織の親とは顔馴染みだから問題ないが」


むしろあの性癖を直してくれといわれるくらいだ。だから俺と付き合わせようとしている。香織は自分はレズなんだけどって言った感じだが。それ俺の好意にも気づいていないだろう。





  










 






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