冒険者ギルドってなんだ?
先の身分制度から考えても分かるように、現実に冒険者ギルドは存在しておりません。
インテリ層は武力のコントロールが大きな仕事の一つ、好き勝手に民に武力を持たれては、治安的にも統治的にも害悪でしょう。
強大な武力を個人や別の集団が持てば権力者を殺すなり、脅すなり、して入れ替わる事も、傀儡にすることも出来てしまいます。
それだと物語は面白くないです。なので矛盾してるけど面白い仕掛けとして冒険者ギルドがファンタジー世界では採用されます。
歴史的なギルドから解説しましょう。少し西洋史のお話になります。
元々は都市国家(城塞都市)で、商人が相互扶助を目的として作ったと言われております。
都市内の商売を独占し廉売競争にならないようにしました。また都市外の商人にルール(安売りさせないなど)を守らせる事や、出店料などを取ったとも言われております。
現代では、談合、独占禁止法に真っ向から違反しています。
独占した商売をしていれば、やがて大きな経済力(莫大な富)を背景に政治に影響力を持ちます。政治に影響力があれば法を商人に有利に変えることも可能になります。
こうなってくると、ギルドを組んでいる商人は、職人から製品を安く買い叩き、高く売るようになります。
困った職人は対抗策として、職人もギルドを作りました。
職人ギルドは弟子の育成や販売価格の交渉などを行うようになります。職業別にギルドが各都市に誕生していったわけです。
ギルドの共通点として、相互扶助組織、つまり助け合いを目的としています。職人ギルドは品質の保証にもなりました。弟子の育成は教育機関としても役割を担いました。
独占し価格を不当に上げるという事も出来ますし、どのギルドも政治に影響力を持って行きます。つまり貴族と親密でありました。
結果として世襲制から民主主義に移行するときに解体されています。現代まで残ったギルドも、もちろん存在しております。
これ以上は詳しすぎる歴史ですね。もうお腹いっぱいですが(笑)
ギルドといえば職業集団そういう事です。この一言で良かった疑惑がありますね\(^o^)/
それでは本題の冒険者ギルドです。
おそらくは、元ネタはゲームと思われます。それがTRPGなのかまでは、調べておりません。
ファンタジー作品の多くの場合は仕事の仲介やランクの認定、身分証明などをしてくれます。報酬の支払いや物品の買い取りもしてくれる事が多いです。
そして国をまたいで大きな組織として存在している事が多いのも特徴でしょう。冒険者ギルドを転々としながら旅をする作品は数知れず存在しています。
何処に行っても均一なサービスを受けられて、書く側も読む側も分かりやすいので使い勝手が非常に良いのです。
異世界感が出ますし、金に困っても、職業に困っても、旅先の情報源に困っても、とりあえず冒険者ギルドでなんとかなる便利装置それが冒険者ギルドです。
また登録して強さでランクを付けてクエストの受注を制限してたりします。異世界転移、転生でランク上げするのはテンプレですね。
多くの場合は弱い人が無理な受注して死なないようになんて理由をつけています。
ゲーム的には強制的に回数をやらせることでプレイ時間を確保出来るのが理由でしょうか?
作品では主人公が絡まれたり、ドラゴンとかぶっ殺して飛び級したりするのもテンプレですね(*^_^*)
案外にコツコツやるのは少ない気がします。
よくあるサービスのイメージとしては、受付嬢がいて事務処理をしてくれる。カワイイか美人率が異様に高いですね(笑)
掲示板に仕事が張り出されて冒険者が受注するときは紙を剥がして持って行く。
識字率は日本が異様に高いだけで、海外では今でも字が読めない人多いのですよ。それだと張り出しても読めなくて受注出来ない問題になるのでスルーしましょう。
主人公が異世界文字書けなくて代筆してもらったり、多くの冒険者が文字を読めない前提で、全て受付嬢が斡旋紹介するか、素材を持ち込み買い取りをするなんて冒険者ギルドもありますね。
この当たりは作者の世界観や作風、主人公の性格に合わせると良いと思います。
指名依頼とか、強制クエストとかも存在していて、断るとペナルティがあったりそもそも断れなかったりする。この場合は受付嬢が直接声をかけてくれますね。
受付嬢の仕事は大変ですね。なので高給取りとか、花形職業とかだったりもします。
また暴力的な仕事(冒険者なのに採集とか狩りをする)ので荒くれ者、盗賊モドキとかチンピラが多い。
エイル的には狩人とかトレジャーハンターとかの方が近い気がしますね。
誰でも成れて強ければ気にしない。過去も問わないなんて設定が多いのでこうなるのでしょう。そうじゃないと異世界転移・転生してもスラムで極貧生活になりますから(笑)
伝手もなく就職するのは中世でも現代でも難易度高いですからね。むしろ日本では住所がないとまともな職につけないので異世界の方が冒険者ギルドがなくてもマシかも知れませんね。
そんなゆるゆる審査は職業ギルドとしては終わってると思います。ヤバい人が所属してる組織は国や貴族が治安維持のために叩き潰すと思いません?
作品によっては国家権力に匹敵する組織だったり、戦争には参加しませんとか、傭兵も兼ねてたり、いろいろです。
架空の団体ですから何でもありです。この当たりは作者の主義主張、プロットなどに合わせて、変えられる自由度がありますね。
何しろ突き詰めると絶対にいらない害悪の方が多く問題だらけとなるであろう組織です。存在させるなら何でもありなのです。
建物内に酒場(食事処)を併設してたり、アイテムを販売してることもあります。さらに宿まで兼ね揃えた生活全ての面倒を見てくれることもありますね。
運営費は多くの場合、依頼料から手数料を抜いてたり、素材の転売、冒険者へのアイテム販売で、賄うことが多いです。
冒険者ギルドからの冒険者を縛る規則がほぼないのも特徴でしょう。
せいぜい死んでも自己責任でとか、殺人ダメくらいかな?
魔法や技術レベルが高いと、銀行機能、無線通信、ステータス鑑定などなどサービス満載、コンビニか?ということもありますね。
職業ギルドをモデルにした、仕事を斡旋する総合派遣会社、場合によっては食事付きの住み込み可、そんなイメージが冒険者ギルドでしょう。
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