ファンタジー用語解説集

エイル

世界観の構築に使えそうな資料と解説

身分制度について

 ファンタジー世界、特に剣と魔法を扱う物に多いのが身分制度です。現代日本では否定されている、世襲制で施政者とかが決まる制度についてです。

 

 階級を書くだけなら簡単なのですが、作品を書くためになのでなぜそんな社会制度が必要なのかについても解説しましょう。

 

 近代社会が正しいのではなく、その時代と技術レベルにおいて効率期な制度が選ばれます。

 

 つまり近代社会では、身分制度が無い方が効率が良い。それ以前では合ったほうが効率が良かったとのだと思います。

 

 エイル自身、歴史家でもなければ身分制度を肯定はしませんが、そういう世界観を作る上で知識としての紹介ということを念頭においてください。

 

 教育にはコスト、つまり時間と金(食料・物資)が必要になります。今は児童労働は禁止されております。それは現代では正しい事です。

 

 農業生産性が低く、医療レベルが低い社会(中世的な世界)では子供が遊んでいると、飢えで死ぬ(飢えれば抵抗力が落ちて病になりやすくなりますし、栄養失調にもなります)確率が上がるのに禁止すべきでしょうか?

 

 社会の技術レベル的に、子供の健康を害さない内容の労働が求められます。

 

 そして労働しながらの追加で学習は子供に負担になりすぎます。そこで社会的に分業を行います。

 

 農民の子供は親の労働(手伝い)をしながら学びます。そして土地や家、資産をを引き継げば良いのです。また大人でも風邪などで、亡くなる確率も高いですから少しでも、若いうちに仕事を覚えることは生きる力になります。

 

 他の職人等も同じです。こうして世襲制は固定化されたのではないでしょうか?

 

 少なくとも自分の子や親戚の子を優先して技術継承するのが親心です。

 

 

 貴族制度についても考察します。

 

 貴族の本質は武力とインテリ層ではないかと思います。

 

 施政者として教育を受けられる人員は限られてしまう技術レベルでは全ての人間に教育し、優秀な者を施政者に選ぶ事は不可能です。

 

 そこで貴族はなるべく子供に高度な教育を施し施政者として育てます。そして世代を重ねながらも領土と民族を守るのが本来の貴族、施政者でしょう。

 

 知力も必要ですが、基本は外敵から守る武力、また法を守らせる武力(警察力)をコントロールする立場といえます。これこそがインテリ層、施政者の仕事で代々続くにはそれなりの人材レベルが必要です。

 

 おそらく横暴で無能な貴族のイメージは技術レベルが向上し生産性向上により世襲制よりも広く優秀な人材を育てられる余力が社会全体に出来ても、即時社会制度は変わりません。そして出来たら余力を使い無駄な贅沢を尽くした近代に近い頃の貴族イメージでしょう。

 

 余力があれば馬鹿でも横暴でも、どうにか社会はなります。その不平等感に人々が我慢出来るのかは別問題です。革命の理由はこんなところにあるだと思います。


 自由と政治参加を求めて改革は、綺麗事ではないでしょうか?求めれば教育コストが増大し、我が子が死ぬかもしれないのに求めますか?つまり社会の余力が無いからこその世襲制身分制度なのです。 

 

 

 世襲制社会をイメージするときの参考になれば何よりです。もちろんこれだけが正解ではありませんし、ファンタジーだと魔法も絡みます。

 

 

 では一般的な身分のランクを上から解説いたします。

 

 

 皇帝、エンペラー

 

 多くの場合は他民族や複数の国を支配する君主に使います。皇帝という言葉を作ったのは秦の始皇帝となります。

 

 また現代地球でエンペラーと呼ばれるのは日本の天皇陛下御一人となっております。

 

 王の中の王、それが皇帝となります。

 

 

 王、キング

 

 国の君主になります。現代では大統領や首相に該当します。権力はその国や時代により違います。しかしながら名実共に国を支配下置いている事が多い存在です。 

 

 

 公爵

 

 王の血縁関係にあることが多く貴族としての身分はトップになります。多くの場合広大な領地を持ち国家と言える規模の兵や経済力を持つこともあります。

 

 日本語への翻訳の問題で王族と混同されることもあり、公国という言葉や大公などの言葉もあります。とにかく国くらい大きな範囲を支配してる大貴族と理解すれば間違いは有りません。詳しくは歴史とか文化の内容になるので省略いたします。

 

 

 侯爵

 

 貴族としては上から2番目となります。比較的王族との血縁関係は薄い事が多いです。本質的に貴族としてトップと言えるかもしれません。

 大きな領地を持ち、経済力も強くそれに見合った兵力を有します。他の貴族にも影響力が強く王の側近や派閥長ないし有力者で有ることが多い身分です。

 

 現代なら大臣や都道府県、州知事クラスの権力者でしょうか?

 

 

 辺境伯爵

 伯爵ではありますが国防の観点から国境に配置され大きな兵力を持ち必要に応じて即応交戦する権限を持ちます。侯爵と対等くらいなイメージでしょう。兵力維持のためにそれ相応の領地を当然持ちます。中央政治よりも防衛が仕事になります。

 

 現代人防衛大臣や将軍そんなイメージでしょう。

 

 

 伯爵

 

 貴族としては真ん中、上からも下から3番目となります。派閥などでは有力者でもトップで有ることは少なく、取り巻き、ナンバーツーなどでしょうか。

 領地もそれなりに持ち、経済力もそれなりそんなイメージです。

 

 県庁所在地や州都の市長くらいでしょうか?

 

 

 子爵

 

 下から2番目になります。中途半端に偉いですが上の貴族や王族には頭が上らないイメージです。実務担当な事も多いでしょうか?領地的に貧乏で生活苦はありえませんがそこまで裕福ではなく、余裕も少ない規模感でしょう。

 

 現代なら市長くらいでしょうか?

 

 

 男爵

 

 貴族階級の5番目一番下になります。貧乏貴族だと男爵が多いです。作者のイメージにより優雅な生活か弱小領地か領地なしの場合も多いです。

 

 現代なら市町長くらいの権力者でしょうか?

 

 

 その他オリジナルで使われやすい貴族の称号

 

 騎士爵

 騎士は貴族の私兵や子弟、金持ちがなることが多いです。作品によっては5階級の貴族制度の下に設定せれており、恩賞の一つや領地を持たない貴族身分などとして使われる事があるようです。

 

 準男爵

 男爵の下、騎士爵の上でしょうか?世襲出来なかったり領地を持たない場合などに分かりやすくするため使う事があるようです。



 貴族以下の身分

 

 騎士

 以外にも貴族なのかと言うと微妙です。武器、防具は自前が基本です。兵糧どころか装備の支給すら近代付近まで有りません。

 騎士と言える訓練を受けられる人員は少なく多くは簡素な装備のみを持った農民、農奴でした。選抜基準はいろいろですが金持ちしか成れない職業です。

 

 平民

 基本的には町に住む民の事です。市民ともいえます。商人、職人なども該当します。また農民よりは少しインテリ層に近く身分的には貴族以外では1番上になります。

 

 農民

 農業従事者ですが地主や村長的な地位になります。ここまで細かく別けた身分制度をもつファンタジー作品は少ないと思われます。

 

 農奴、小作

 農民の下、奴隷の手前でしょう。親から引き継ぐ財産がない人々になります。現代では親の財産は分割相続します。しかしながら分割相続すると代を重ねるごとに一人の土地は減り自分の食料さえ自分の農地で生産できなくなります。

 

 そのため家長(農民)一人が全て相続し規模を維持します。その他の手伝いが農奴、小作となります。


 基本的には農兵、土木作業従事など危険できつい仕事も担当します。また食料危機では死にやすい社会の底辺層になります。

 

 

 奴隷

 基本的には犯罪者、多民族などを使い捨ての労働力として使う事が多いでしょう。

 中には人権を保障した作品もありますので作者次第です。

 

 全体として、無賃労働が共通しているのではないでしょうか。犯罪奴隷だとか借金奴隷だとかで、身分や待遇差を分けることもあります。

 


 少しは参考になったでしょうか?また気が向いたらエイルの資料次いでに他の用語も、作成します。

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