第3話パパ、こっち向かないで
息子と夜に一緒の布団で寝る事がある。深夜まで、部屋の明かりを消しても息子が僕に語りかけ、2人で冗談を言いながらクスクスと笑い、時間は2時だというのに起きていると、嫁さんが部屋に来て、
「おめえら、とっと寝ろっ!何時だと思ってんだ!」
と、言うのでしぶしぶ僕らは話を辞めて眠りについた。
しばらく、スーハースーハーと深い眠りに落ちようとすると息子が、
「パパ、こっち向かないで!息がウンコの匂いがする」
と言う。
僕は息子に背を向けて寝た。
息子が言うには、僕のイビキは酷いそうだ。
息は臭くて、イビキが酷く息子はなかなか眠れないでいると僕は寝屁をこくらしい。
息子は僕の事を"大魔王"と呼び、絶対に大魔王より早く寝ないと被害を被るので、最近は深夜まで2人して起きている事は少なくなった。
また、息子は僕に必ず寝る前に歯磨きするように懇願して、寝屁は防ぎようもないので背を向けて寝るのはしなくなった。
息子が背を向けて寝れば早い話しなのだが、だんだん慣れてくるらしい。
「大魔王、何食ったらそんな臭い息になるの?」
「これは、大人になった証拠。歯槽膿漏と言って、お前も将来息が臭くなるんだよ!」
「絶対やだ!大魔王の息はタバコとウンコの匂いがするから、嫌われるよ!」
僕は不毛な言い合いに付き合えないので決着を付けようと息子に、ハーッハーッ と息を吹きかけてやると、
「くっせ~、ママに言いつけてやるっ!」
と、ま~アホの会話を続けるのが我々父子の日常なのである。
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