帰郷物語
@yukinokizuna
第1話 実家暮らしに戻る
僕は空港に降り立った。
七年ぶりにここで暮らすのかと思うと、溜息しか出なかった。タクシーを探そうとすると両親が迎えに来てくれていた。しかし歓迎されていないだろうと感じた。何しろ僕は東京の一流企業を辞めて戻ってきたのだから。背中に汗をかく。手のひらも汗をかいていた。
「たける。お帰り。」
母が声をかけてくれた。とりあえず実家に戻るとしよう。七年ぶりの実家暮らしになった。高校生の頃は早く自立したかったが今はその気力もなかった。実家暮らしも家賃を節約するためだった。
僕は東京の会社で心の病気になってしまったのだった。
両親にはもうラインで伝えていた。両親も初めは怒ったり嘆いたりしていたが今はその気力もないのだろう。
こうして僕は地元、山口県に戻ってきた。しばらく自宅療養すると両親には伝えていたし納得してくれたようだった。東京では情報も早かった。樺沢紫苑の樺チャンネルというyou tubeのチャンネルを教えてくれた知人がいた。とりあえず今日は休もう。東京から山口までくるのに体力を使った。心の病気とはそういうものなのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます