第17話 魂の在処
肉だ!久しぶりの肉だ!
一口食べてみる。
美味い!美味いぞ!虫なんてもう食う気もせんわ!
それほどネズミの肉は美味かった。
バッグに入れて置いた肉も全て出して一心不乱に焼いて食う。焼いて食う。焼いて食う。
あっという間に無くなってしまった。取り敢えず腹は膨れたが、たまらなく美味かったな。もう少し狩っておくか。
それから1ヶ月程狩りまくっていたら全く見なくなってしまった。
天の声(あの日付けを告げる女の事だ。)に聞くと、
『アンタ馬鹿ぁ?リポップタイム無視してあんな馬鹿みたいな勢いで狩まくったらいなくなるに決まってるでしょ!あのネズミあと3ヶ月は湧かないわよ。』
この女とも長い付き合いだが年々馴れ馴れしくなって来てるな。
しかし、リポ?よく分からんがしばらくは出現しないらしいな。
「そうか。まぁ500年殺し合いをした仲だ。3ヶ月待つくらい造作もない。幸い鞄に半年持つくらいには貯蔵してある。気長に待つさ。」
『もうホントなんなの!強敵倒したんだから先進みなさいよ!1層の最初のエリアに500年以上いた奴なんて聞いた事もないわ!』
何を興奮しているんだコイツは。
「あの味を知ったら腰が重くなるのは仕方ない事だ。それに俺は無能だからどうしても時間が掛かるのさ。」
『あー駄目だ。あのね、ここに来る条件は神話級のギフトを持つのが条件ってのはしってるわよね?』
「ああ、眉唾だがそう言う事らしいな。」
『・・・まあいいわ。でもどれだけ凄いギフトを持ってても10年も経たずに消えるのがここの常識なの』
「待て待て。なぜ消える。死んでもここ癒しの湯に戻って来るだけじゃないか。意味がわからんぞ」
『魂の再生は出来ても魂の穢れは回復出来ないの。』
魂が穢れる?よくわからん。
『毎日殺されてここに戻る生活、発狂しない方がどうかしてんのよ。あんたがネズミ狩りまくってリポップ追いつかないのと一緒。絶望に取り憑かれたら癒しの湯なんて気休め、何の役にも立たないわ。魂が削られて最後には消えちゃうの。』
「そうかぁ?、この湯に浸かると心からポカポカするんだがね。」
『そんなのワタシが知るわけないでしょ!アンタ異常よ!いいから早く先進みなさいよ!』
「うーむ。しかしあの肉の味がなあ・・・。」
『!! この洞窟を抜けると草原のエリアになるわ。もっと美味しい物いっぱい食べられるわよ!ウサギとか牛とか竜とか・・・』
牛!!?だと。
「ほう、それは良い事を聞いた。雑魚と遊ぶのには飽きてきた頃だ。よし、次の強者に会いに行くぞ。」
『はぁー。(こいつ食欲しか無いんですけど・・・不安だわ)』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます