第13話 絶望の始まり




カポーン


ひたいに布を乗せて湯に浸かる。

もうどれ程こうしているだろうか。


「はあ〜。気持ちいい〜。」

そうなのだ気持ち良過ぎるんだこのお湯。

疲れた身体に染み渡るというか身体はもちろん心までポカポカする感じがする。


「鑑定合ってたんだな。ふふっ」


さて疲れも癒したし先へ進むか。

と、そのまえに自身も鑑定しておこう。


名前  アル•ディライト

種族  人間 

年齢  14歳(時間停止中)

加護  底辺のゴミ

レベル Lv3

HP 18

MP 0

攻撃力 2

守備力 2

敏捷性 1

魔力 1

運 1


スキル 鑑定

装備  皮の上着、皮のパンツ、革靴、短剣


おお。項目が増えてる。

スキル覚えた以外は特に変わってないな。

装備は転移前に新調したんだ。魔石を売って結構お金貯まってたからね。ん?


「時間停止中・・・って何だろ?」


『神域では時間の概念はありません。』


!?なんだまた頭に言葉が。

「神域?」


『神々の領域の事です。』


どうやら僕の疑問に答えてくれるらしい。

「神々の領域。とんでもない所に来ちゃったぞ。」

無事に元の世界に戻れるんだろうか。


「元の世界に戻る事は出来ますか?」


『ディスペアダンジョンをクリアすると転移が可能となります。』


クリア!?

「僕みたいなゴミにクリア出来るんですか!?魔物は強い?レベルは!魔物のレベル教えて!弱点とか!!」

早口で捲し立てる。


『チッ・・・』


「えっ?待って今舌打ちした?」


『・・・石碑に触れると1層目に転移されます。』


はぐらかされた?

「魔物のレベルを教えてください。」


『・・・1層の魔物のレベルは250〜500です。』


「嘘だっ!Lv500なんて神話の領域じゃないか!嘘だよね?嘘だと言ってよ!」


反応はない。

500・・・

確か帝国の隣、ルーステリア王国に生まれた勇者のLvが120とか言われてたような。

Lvは高くなる程大量の経験値を必要とするので上がり辛くなる。

数多くの魔物や、強大なボスを倒し続けなくてはならず余程の剣や魔法の才能が無いかぎり100を超える事すら困難だ。


「1層でLv250の魔物と戦わなくちゃいけないのか。絶望の迷宮ね。ははっ。まさに今の気分にピッタリだ。


石碑の前に立ち手をかざす。

触れたと同時に迷宮に転送される。

さあ絶望の始まりだ。

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