第10話 Negotiation
「で、ボウズお前これからどうすんだ?」
ウーゴさんに聞かれるが僕の心は決まっている。
「実家に帰るつもりでしたが、あの魔物との戦いで決めました。ウーゴさん、マルクさん、ソフィアさん!何でもするので僕を側に置いてもらえませんか?僕、強くなりたいんです!お願いします!」
頭を下げて頼みこむ。
「側にってアンタ私たちと一緒に来るつもり?だとしたらやめときな。レベルが低過ぎる。すぐ死ぬよ。」
ソフィアさんにすぐ否定されるも諦めるわけにはいかない。
ソフィアさんは折れそうな気配はない。
ここはウーゴさんに頼むしか、
「あー、俺に言っても無駄だぞ。このパーティーのリーダーはマルクだからな。」
なんですと!
「私に押し付けるの止めてもらえませんかね。」
マルクさんが戸惑い気味に答える。
「アル君だったかい?君が私たちと同じステージに立つのは早すぎる。諦めなさい。」
「そんな今は無理でもいつかは!」
食い下がる。
「そうだ。君が諦めなければいつかは私たちと道が交わる事もあるだろう。だが今ではない。君にも仲間がいるんだろう?急がず仲間と共に歩みなさい。」
「こいつ友達いなさそうだけど?w」
ソフィアが横槍を入れる。酷い。
ぐぬぬ。いい感じに丸め込まれてる気がする。何か手は無いのか。
・・・・・・くっ!あれをやるしかないのか!!
ゴロンと地面にねっ転がる。
「ふぇぇぇ!!お兄ちゃんたちと離れたくないよお!僕も連れてって!連れてってよう!」
うつ伏せになったりしながら手足をバタバタ動かす。
お爺ちゃん相手にやると成功率100%の交渉術。僕の自尊心を対価に少ない可能性に賭ける。
「1人なんてヤーヤーなの!一緒に行くったら行くのお!」
「アハハ!何それウケるw」
ソフィアさんに馬鹿にされた。
「はぁ〜。」
ウーゴさんに呆れらる。
まだだ、まだマルクさんが!
ん?
寝転がっている僕の両脇に手を差し入れ立たせられる。服に着いた汚れを払われた。
「そろそろ地上に戻ろうか。」
「はい。」
さよなら、僕の自尊心。
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