第5話 水浴み

迷宮攻略を続けるに当たり必要なもの。

それは、


水、食糧、そして水浴みだ。


水、食糧は言わずもがなだが、水浴みを軽視してはならない。

匂いや身体の痒みはまだ我慢出来る。しかし傷口から入った雑菌を洗い流さないでいると死に至る事があると学園の書物で読んだ事がある。

冒険者にとって擦り傷は日常茶飯事。

常に清潔を心がけたい。

用心し過ぎと言う事はない。


そんなわけでこの川にやって来たのである。2人1組で入り他の2人は周囲の警戒だ

まあレイナと一緒に洗いっこなんて出来ないけどね。


「見たらコロす。」


レイナがこちらを睨みながら呟く。ふぇぇレディの言う言葉じゃないね。


「見ないから早く脱いで洗っちゃいなよ。」

背を向けてそう言うとシュルシュルとローブを脱ぐ音が・・・。

ゴクリ。


「冷たっ」


バシャバシャと言う水音が想像力を掻き立てる。いやいや落ち着こう。僕は木だ。絶対に動かないぞ!


「ねぇ、アル・・・。」


えっ!

振り返ろうと言う刹那、さっきの言葉を思い出し踏み止まる。


「ん?何?」


「アルは何でこんなトコに付いて来てくれたの?」

「それは・・・。」

「断るでしょ普通。」

「まあ、そうかもね。」

「じゃあ何で?」


・・・夢を実現する為かな。

僕は冒険者になって魔物から人々を守るんだ。その為には強くならなくちゃいけない。あの加護を授かってからはより一掃そう思う様になった。まともに鍛えても何の変化も無かったからね。危険を犯してでもここに挑む必要があったんだ。それにレイナの事も心配だったし


とは恥ずかしくて言えないな。


「ダンジョン攻略の実績があればが色々この先有利になるからね。」

と濁しておく。


「・・・ふーん。そか。なーんだ。」


ん?何だ?何かこれ、レイナも僕の事が


ガサガサッ


「キャアっ!」

「レイナ!」

振り向くと手で隠された双丘が

へぇ服着てると分からなかったけどこれはなかなか・・・


「おいコラ。見たらコロすって言ったよな!ゴミが!」


放たれる炎球。

ギャー

火に包まれる僕とハッス。

さっきの音はお前かい・・・


若干焦げたけどバッカスが回復魔法で治してくれました。

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