基礎理論チュートリアル




“初めまして。それではこれから基礎理論チュートリアルを行いたいと思います。準備やお時間のほうは大丈夫でしょうか?”




 YES。





“まずは「水冷」のカードを例に出しましょう。ここに「水冷」のカードがあります。英単語が書いてありますね。それぞれ、liquid(リキッド)と、cool(クール)。意味は分かりますでしょうか?”




 分かるけど、わざとNOと答えてみる。




“liquidは液体、coolは冷却を意味する英単語です。理解できたでしょうか?”




 YES。




“このliquidは通常は水、つまりwaterを指します。ここまではよろしいでしょうか?”




 YES。




“通常、というのは液体はwaterばかりを指す言葉ではありません。泥水や砂糖水、海水、牛乳、油、そして金属、わかりやすいのは水銀でしょうか。水銀は分かりますか?”




 そういや水銀って知っているけど何だっけかとNOを選択。




“水銀、あるいは汞(みずがね)とも書きますが、英語でmercuryと書き、原子番号80の元素。元素記号はHg。常温、常圧で凝固しない唯一の金属元素で、銀のような白い光沢を放つ液体の事です。難しいので今回は省略しますがよろしいでしょうか?”




 う、うーん、となりながらYES。




“ではliquid、通常のwaterを例に出します。waterは飲める液体ですが、条件下で次のように変化します。waterを熱で温めると湯、つまりhot water、で、さらに熱すると蒸気、つまりvaporで物質が液体から蒸発して、あるいは固体から昇華して気体になった状態のものを指します。分かりますでしょうか?”




 YES。




“今度は冷やしてみましょう。waterを冷やせば氷水、つまりice waterに、更に冷やすと氷、つまりiceとなります。お風呂や温泉、サウナは気持ちが良く、夏の暑い時期や冬の時期に炬燵で食べるアイスクリームは美味しいですよね?”




 なんだそれ、とちょっと笑ってYES。




“このhot water、vapor、ice water、iceに変化させるためにはある条件がいります。そう、火、つまりfireや、熱、heat。逆にiceにするには冷却、つまりcoolが必要となります。分かりますでしょうか?”




 YES。




“ここでもう一つのカード「炎熱」を出します。炎、fireや熱、heatを取り扱うカードです。これをwaterと繋げる事でhot water、vaporが作られます。vaporを更に熱すれば水蒸気で焼く事ができます。分かりますでしょうか?”




 YES。




“これが『スペル・バインダー』の基礎理論・概念つまり考え方です。通常、他のゲームでは水と火は相反するものですが、『スペル・バインダー』では相反しません。実際に『スペル・バインダー』では温泉やサウナのような蒸気、アイスクリームも作る事が出来ます。これで基礎理論チュートリアルは終わります。お疲れさまでした。”





『スペル・バインダー』がホーム画面に戻る。少し考え込む。分かるようで分からない。でも何となくは分かる。そんな感じだった。次もこうなのかな。










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