物語の悪役探し!?
玲々
第1話
「ここ何処なんだろう。まさか本当に来ちゃったなんて…
ことないよ…ね?」
ー遡ること昨夜ー
私は
大学を卒業してもうすぐ一年。
卒業までに就職先を見つけられなかった私は
バイト、家事、犬の世話…の繰り返し。
今日もいつもと変わらない毎日を終えて帰宅し、ベッドに横たわる。
「疲れた…」
体力も精神もそんな毎日に飽きがくる。
「そろそろちゃんと自立しないとなぁ」
毎日考えては行動に移せない自分にも嫌になりながら
求人サイトを見て過ごす日々。
「…あ…!そういえば今日金曜日じゃん!読まなきゃ!」
そんな私の唯一の楽しみは毎週金曜日に配信される小説を読むこと。
本を読むことが楽しみな私にとって、新たな物語を探すことはとても心踊る。
「えっ…ここで終わり!?続きはまた来週なんて…待てない…!」
ベッドに突っ伏してなんてことを呟きながら小説を読み返す。
最近読んでいるのは専ら、異世界転生ファンタジー。
「突然、異世界に行くなんてあり得ないけど…憧れちゃうな…。
私も…異世界…に…なーんて……」
そんなことを考えながら眠りに落ち、土曜日の朝を迎える…。
はずだったのに、目を覚ますと気づけば見覚えのない景色が
広がっていた。
「落ち着いて考えよう…ここは異世界として…いや、
本当に異世界なのかな!!?」
ジリリリリリリーーーン!!!
落ちつく間も無く頭の中で、古典的な目覚まし時計のような音が
鳴り響く。
「なに!?起きろってこと!!?」
???「…あなたに探してほしいものがあります」
音が鳴り止んだ矢先の聞こえてくる優しい声に
理解が追いつかなかった。
「え?なに?探す??というかあなたはなに?誰?」
???「失礼しました。私はイツと申します。
真結さん。あなたにはこの世界の悪役を探してほしいのです。」
これが私の異世界生活での探しモノの始まりだった。
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