女だらけの異世界転性 〜 男なのに女魔法戦士として女の子の街に召喚されたらエロいオークを退治して百合ハーレムを目指すしかないっしょ

藍空 和恩

第1章 女に目覚めし者

第1話 知らない所。知りたいトコロ

 気が付けば……

 僕は広い草原の真ん中で寝転がっていた。


 高い空に白い雲が流れる。

 風が気持ちいい……。



 でもここは……いったいどこ?

 初めて見る風景。


 少なくとも、僕の行動範囲の中には、こんな雄大ゆうだいな景色をながめることが出来る場所なんてなかった。

 まあ大体どこ行ったって、ビルの1つや2つは目に付くはずだ。



 ムクリと上体を起こす。

 背中に風を感じて──


(って、エ? 裸!?)


 お尻も草でチクチクしてるって事は、下着もいてないっぽい。

 胸に手を当てると……やっぱり素肌だ。



 ほら、こうフニンと──


(ハ? フニン!?)


 下を向くと、ポヨ〜ンと大きなふくらみ。


「エッ、これ……オパッ、パッ……パアァァッ!?」



 心臓がバクンとねる。

 こんな間近で見るのは初めてだ。


 でも言っとくけど、僕は男子だからね。

 別に太ってる訳でもないぞ?


 このたおやかに揺れる塊りは、どう見たって異性の持ちもの。

 僕を魅了みりょうしてまないものではあるけれど……

 僕が持っててもイイの?



(どうして……あ、まさかっ!)


 あわてて手を当てると……


 無くなってる……


 あるべき……

 大事なが──


「なっ、ないぃぃぃ!!」



 よく見れば、くびれた腰にモチモチの肌。

 間違いない。

 女の子の身体だ……。


(性……転換? 何で!?)



 そこで僕は思い出した。

 たしか、さっきまで教室でうたた寝をしていたはずだ。


 もしかして……夢でも見てる?



 胸をキュッとつねってみる。


「んフ……」


 この感じ……夢じゃない。

 ということは……


 まてよ? そうだ──



『僕と契約して、魔法戦士になってよ』


 僕は、もう1つ思い出した。

 そういやぁ、パグ犬みたいな奴が枕元まくらもとに出てきて、変なこと言ってたっけ……。



 辺りを見回すと……


 広がる草原。

 見たことのない場所。

 自然豊かなこの光景は、都会暮らしには新鮮だ。


 まるで異世界のように──



(もしかして……異世界転生?)


 あのパグ犬……

 ほーん、なるほど。そういう事か。



 え? こんな非現実、受け入れるのが早過ぎるんじゃないかって?


 まあね。


 でも、最近の2次元コンテンツ界隈かいわいでは、この手のシチュが大流行おおはやりだからね。

 便乗びんじょうしたいやからもいるだろう。


 おっさんが車にかれて、知らない世界に飛ばされた挙げ句に、魔王やら幼女やらに生まれ変わるなんてのは、むしろ定番ともいえるからね。

 僕が女の子になっちゃうぐらいは、まあ……


 そういう事なんだろう。

 でも、死んだ訳じゃないのになぁ……。


(うたた寝してただけなのに……)


 まあ僕もさ、女の子になったら夜の日課がはかどるかなぁ……

 なんて妄想してたからね。

 むしろ夢がかなったと言ってもいいかもしれない。


 でも、実際になってみると……

 それはそれで複雑な心境しんきょうだ。


 だってさ……

 アレが無いなんて、なんとなく落ち着かないじゃないか。

 だいいち、スッキリしたい時にはドコを握ればいいんだ?



「それにしてもさ……」


 途方とほうにくれながら、僕はこの雄大な景色を、ぼんやりと眺めていた。


 大草原に女の子が1人。


 こんな所でだよ?

 全裸のまま取り残されてもさぁ……

 この先、どうやって生きていきゃいいのさ。


 いくら転生ものが流行りったって、ざつすぎる。



(ん? 裸の女の子が……1人きり……)


 ふと……

 その意味と可能性に気付く。



「誰も見てない……よね……」


 自分の身体だからさ、痴漢じゃあないでしょ。

 そう、これはただのひとり善がり。

 こんなに開放的なのは、これが初めてだけど……。



 僕はもう一度、胸に手を当ててみた。


 結構デカい。

 迫力満点じゃないか。


 しかもこれは……

 転生前にはなかった感覚。


 女の子って、こんなに……

 なんだかズルいぞ。



 それから、えっと……

 下の方はどうなって……。


 僕はドキドキしながらのぞき込んだ。


 そりゃあ、ソコんトコロは要チェックでしょ。

 修正済みしか見たことないんだよ?

 ベタ塗りの向こうがどうなってんのか、気にならない方がどうかしてる。



 うーん……

 でも胸が邪魔じゃまで、よく見えないな。


 大っきいのは大好物なんだけど、こんなデメリットがあったとは。



 仕方なく手探りで触ると……


 コレって……アレ、だよね。



(ちょ……どうなって……)


 ググッと腰を曲げて覗くんだけど……

 やっぱり胸が邪魔だ。


 んー、見えない。



 これ……

 女子ってさ、オシッコをく時って、どうしてんだろうね。


 手探りなの?


 まあそれはいいとしても、出す時に困るんじゃないかな。

 どうやってねらいを定めてんだろ……。



 僕はこの時、初めて触れる女の子の身体に夢中になっていた。


 そんなわけでさ、せまり来る脅威きょういになんて、全く気付いてなかったんだ……。

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