追放されたけど、ザマァ展開が全然来ねえ〜クズすぎる俺、チートもないし変なパーティーメンバーしか来ない。元のパーティーは上手くいってるようだがもう遅い(俺が)。あとこの長いタイトルどうにかしてくれ〜
roite
1章・クズの冒険者日記
第1話・自業自得でパーティー追放
「レアル。今日を以て、お前をパーティーから追放する」
その言葉を聞きながら、俺は思った。
__これ、どっかで見たことある。
***
「何でだよ、クレッド!俺はこのパーティーで十分上手くやって来た筈だろ!?」
そう言って、俺はテーブルを叩く。
ここは、冒険者ギルドの一角。
石造りでできており、丁度お昼時なのでかなり人が多い。
もちろん俺も冒険者をやっている。
俺は昼間に、ここで酒を飲んでいた。
すると、パーティーメンバー達が集まってきて……。
冒頭に戻ってくるという訳だ。
先程の俺の弁明を聞き、クレッドは肩を震わせると、
「上手くやって来ただと!?お前、普段は昼まで寝てるし、外に出たがらないだろ!挙句、こんな真っ昼間から酒を飲んで……!」
「そんな理由で!?理不尽だ!」
「それだけじゃない!冒険に出ると帰りたいだのと駄々を捏ねるし、すぐ魔力切れるだろ!?ポーションは活動資金から捻出してるんだぞ!」
俺はクレッドの黒髪と訴えるような顔を見て、テーブルを叩く。
「クソ!お前らのサポートは全部俺がしてたのに……!」
「お前が無防備すぎて守ってたから隙ができたんだよ!しかもお前、みんなから借金して……!もう俺達は破産寸前なんだよ!全額払えとは言わないが、もう限界だ!抜けてくれたら全部帳消しにしてやるから!」
泣きそうになって言うクレッドと、激しく同意するメンバー達。
……って、借金帳消し!?
どうしよう、抜けたくなって来た。
悩む俺に、クレッドが悲痛な声で訴える。
「だいたいお前、セクハラしすぎなんだよ!俺がどんだけ警察署に行って頭下げたと思ってるんだ!目を離すとすぐ喧嘩するし……」
「……分かった。出てきゃ良いんだろ」
「ほ、本当か!?」
食いつくように身を乗り出すクレッド。他のメンバーも目に涙を浮かべている。
「ただし!こうなった以上、手切れ金を」
「お前ならそう言うと思って準備してあるよ!ほら!」
クレッドから手のひらサイズの小袋を投げ渡される。
それを懐に入れ、荷物を取って立ち上がる。
「長かった……。本当に長かった……!」
「これで実家から金を借りなくて済むんだ……!」
「もう貯金が尽きて日雇いのバイトしなくても良いのね……!」
ハイタッチし、涙を流す元メンバー達を見て、俺は踵を返してギルドから出た。
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