３分間ラブラブクッキング

３分間ラブラブクッキング

（たらったたた　たらったたた　たららららららんらんらん♪）

　みなさんこんにちはラブラブ３分間クッキングのお時間です。先生、１０月にもなり秋が深まってきましたね。毎日の朝が辛くて電気ヒーターをもう部屋に置いたという人もいるのではないでしょうか。今月のテーマは秋、食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋、芸術の秋。蒸暑かった夏と比べて秋は湿度もちょうどよく、すっきりとした晴れ間の多い秋は恋愛にも向いていると言えますね。枯葉が舞う道を２人でデートというのも映画みたいでいいですよねー。そこで今日の料理はメガネ系男子の恋落としを作っていきたいと思います。それでは先生、よろしくお願いします。

　こんにちは今日の料理の担当をさせていただく吉沢と言います。早速材料の方を見ていきましょう。シチュエーションは定番の図書室、これはナイーブなメガネ系男子とは相性が良いんですよね。そして少しの文学知識、変に昔の日本純文学の知識を得ても話が合わないという事もありますので、ここは一つ絵本や童話をお勧めします。これを下味にするんですね。そして清楚な服装を心がけてください。

　先生、メガネ系男子は最近流行りの食材なのですが、どのように下ごしらえをすればいいのでしょう。

　そうですね…メガネ系男子は文系か理系かで分かれますが、恋愛に対して非常に奥手の場合と、文学などで恋愛を知っているという場合があります。素材によって下拵えも変えていきたいところですね。今回はオーソドックスな文系メガネ系男子を使っていきます。

　まずは出会いの前の印象ですね。これはどうしたらいいのでしょう。勉強が苦手でメガネ系男子ちょっと無理かもと諦めてしまいそうな女の子もいると思いますが。

　勉強なんかできなくてもいいんです。メガネ系男子は奥手な性格ですので自分から接触する事は仕事や社交辞令の場合が多いんですね。ですから、積極的とは言いませんが、毎日１回ずつ声をかけるだけでメガネ系男子は嬉しいと感じる事が多いです。そしていつもより接触が多い日があると思いますが、そんなときは笑顔でまた会ったねと誰が見ても好意的な笑顔で挨拶すると良いと思います。そして注意点ですが、どのような本が好きなのかというのは聞いてはいけません。日本純文学が好きだったり、外国文学が好きだったり、語学の勉強をしていたりと答えがバラバラになってしまうからです。そこで下味の絵本と童話ですね。自分から私はこういう絵本や童話が好きなんだという話をすればいいのではないかと思います。愛と死がテーマに入っている「１００万回生きたねこ」とかお勧めですね。「１００万回生きたねこ」を一番の童話として上げる女の子というのはメガネ系男子にちょっと特別に見えるんですね。

　ああ、そこで上手くいけば、主人公の猫が僕、白ネコが女の子という刷り込みがなされるわけですね。

　ええ。自分が好きな本を先に言ってしまえば、それはメガネ系男子にとって心を開いてくれたと感じるわけです。そこから何を見ているの？　とか何を考えているの？　とか発展しやすいと思います。お勧めの童話は何？　って聞くのも効果的ですね。メガネ系男子なのでそこは一生懸命考えてくれるでしょう。やはり本の仲間が増えるというのは嬉しい事ですからね。

　そして次のステップに宮沢賢治の童話がありますね。これはどうしてでしょう。

　宮沢賢治の童話、例えば「よだかの星」などは男にしか分からない怒りなどが詰まった童話で、これを理解してくれる女の子というのは非常に珍しいんですね。どのように読んでどのように解釈するかは自由です。むしろ自由のほうが良いでしょう。あわせて「カモメのジョナサン」も、これも男の子向きの童話ですが、読んでおくとメガネ系男子と近づけるのではないでしょうか。

　ここまで来れば、メガネ系男子との間に絆ができると。

　そうですね。どこかですれ違った時に何かの詩集の一部を呟いてみるというのも効果的だと思います。いままで勉強ができなくてバカだと思っていた女の子がいきなり「私という現象は假定された有機交流電燈のひとつの青い照明」とか言えば、もうそれだけでメガネ系男子は堕ちたも同然です。あとは「犬の十戎」でしょうか。これを萌えキャラ風に真剣に読むとメガネ系男子はほぼ回避できません。

　ありがとうございました。

（たらったたた　たらったたた　たららららららんらんらん♪）