桜さんとの挨拶が終わった後、配信部屋に連れて行ってくれた。

「着いたよ。ここが配信部屋。家で一番自慢の部屋なんだ。」

「うわぁ～。広い！！」

僕の思っていた10倍は広い部屋だった。多分ここで、Vtuber関連のことは何でもできると思う。

「えへへ。そうでしょー。褒めてくれてうれしいな。」

興奮が収まりきらなかった僕は、思わず本音を漏らしてしまった。

「僕もこんな大きい部屋に住んで、配信したいな……。」

「じゃあ、この家に住む？部屋、たくさんあるよ？」

僕の本音はきこえていたようだ。

「い、いや、さすがにそれは……。」

あわてて断ると、桜さんは意地悪な顔で僕に言った。

「嘘だよ！そんなわけないじゃん！……本当は本気だけどな……楽しい生活に戻れると思ったのに……」

ん？最後に何か聞こえたような……。まぁいっか。

「よかった！じゃあ、配信準備しましょう！」

そして僕たちは、広い広い配信部屋に入った。

☆

僕が自分の機材を持って行ったのもあって、配信準備はスムーズに進んだ。１つ気になったのは、桜さんが、

『今回の企画は始まるまで内緒だからね！』

といったことだった。教えてくれてもいいのにな。そして、配信は始まる。

――僕は、大事なルラル先輩とのコラボの事を、他の事に気がいって忘れていた。

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