第12話 心ちゃん争奪戦……⁉(後編)

「あーもう、涼香。いつものキャラはどこいった。それにショコラティエもちょっとキャラ変わってないか?あと、ルラル。流君が可哀想だからやめてあげろ。コラボ相手、決めなければならないだろ。」


風原さんの言葉で我に返り、慌ててルラル先輩の膝の上から逃げる。改めてみると、きれいな女の人だ。黒いロングの髪で、落ち着いていそうな顔立ちだった。でも性格とは正反対だ。そんなことを考えていると、風原さんが僕の顔を覗き込んでこう言った。


「流君?何を考えているのか?今から流君の初コラボ相手を決めるぞ。」

「は、はいっ!」


そのことを忘れていた。早く決めなければ。


「じゃあ、決め方はじゃんけんで……やろu」

「はいっはーい!私がやることに決定!!これで会議を終わりまーす。ありがとうございました!」


え……?風原さんの言葉を遮り、勝手に自分がやることに決定し、会議を終わらせたのはルラル先輩だった。最後にほかのみんなが残した言葉はこんなだった。


水倉 虹:しょうがないね。また今度だね。こうなったらルラル、止まれないから。

本波 涼香:ええ、そうよね。なら今度ルラル以外でいつもの場所に集まりましょ。                      

私達だけの会議よ。

シュークリーム:分かった。絶対行く。

ショコラティエ:しょうがないわね。行ってあげるわ。

ララ:OK!いつもの場所だね。

リリ:分かった。

花崎 霞:いいわねぇ。行ってみようかしらねぇ。

ユミリー:うん!

海花 風味:会議かー楽しみー。

戦国 武将:うむ。会議か。行ってみるとしよう。


『いつもの場所』っていうのがよくわからないけど、会議を先輩たちだけでやるみたい。ルラル先輩を除いて。そして会議は終わってしまった。



会議が終わり、帰り道。風原さんに聞いてみたいことがあったから、呼んでみた。


「あの……、先輩たちの順番?一期生、二期生っていうんですか?それってどうなっているんですか?それが知りたいんです!」


まだ知らなかったから言ったけど、なんだか恥ずかしいなぁ。


「あぁ。それならこれを見るといいよ。これ、あげるから。」


そう言って、紙をくれた。中はこんなことが書かれてあった。

    

ヴィクセント 一期生 二期生 三期生____________________

一期生:ルラル、水倉虹、本波涼香、シュークリーム、ショコラティエ

二期生:ララ&リリ、ユミリー、花崎霞、海花風味、戦国武将

三期生:青空心(スカウト)他まだ募集中

______________________________________


「ありがとうございます!こんなにわかりやすい紙、嬉しいです!」


笑顔でお礼を言うと、風原さんがうっ……と倒れかけてしまった。


「だ、大丈夫だよ。それじゃあまたね……」


心配なんだけど……まぁ本人が言うのなら大丈夫か。そうして、僕は家に帰った。

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