第12話 心ちゃん争奪戦……⁉(後編)
「あーもう、涼香。いつものキャラはどこいった。それにショコラティエもちょっとキャラ変わってないか?あと、ルラル。流君が可哀想だからやめてあげろ。コラボ相手、決めなければならないだろ。」
風原さんの言葉で我に返り、慌ててルラル先輩の膝の上から逃げる。改めてみると、きれいな女の人だ。黒いロングの髪で、落ち着いていそうな顔立ちだった。でも性格とは正反対だ。そんなことを考えていると、風原さんが僕の顔を覗き込んでこう言った。
「流君?何を考えているのか?今から流君の初コラボ相手を決めるぞ。」
「は、はいっ!」
そのことを忘れていた。早く決めなければ。
「じゃあ、決め方はじゃんけんで……やろu」
「はいっはーい!私がやることに決定!!これで会議を終わりまーす。ありがとうございました!」
え……?風原さんの言葉を遮り、勝手に自分がやることに決定し、会議を終わらせたのはルラル先輩だった。最後にほかのみんなが残した言葉はこんなだった。
水倉 虹:しょうがないね。また今度だね。こうなったらルラル、止まれないから。
本波 涼香:ええ、そうよね。なら今度ルラル以外でいつもの場所に集まりましょ。
私達だけの会議よ。
シュークリーム:分かった。絶対行く。
ショコラティエ:しょうがないわね。行ってあげるわ。
ララ:OK!いつもの場所だね。
リリ:分かった。
花崎 霞:いいわねぇ。行ってみようかしらねぇ。
ユミリー:うん!
海花 風味:会議かー楽しみー。
戦国 武将:うむ。会議か。行ってみるとしよう。
『いつもの場所』っていうのがよくわからないけど、会議を先輩たちだけでやるみたい。ルラル先輩を除いて。そして会議は終わってしまった。
☆
会議が終わり、帰り道。風原さんに聞いてみたいことがあったから、呼んでみた。
「あの……、先輩たちの順番?一期生、二期生っていうんですか?それってどうなっているんですか?それが知りたいんです!」
まだ知らなかったから言ったけど、なんだか恥ずかしいなぁ。
「あぁ。それならこれを見るといいよ。これ、あげるから。」
そう言って、紙をくれた。中はこんなことが書かれてあった。
ヴィクセント 一期生 二期生 三期生____________________
一期生:ルラル、水倉虹、本波涼香、シュークリーム、ショコラティエ
二期生:ララ&リリ、ユミリー、花崎霞、海花風味、戦国武将
三期生:青空心(スカウト)他まだ募集中
______________________________________
「ありがとうございます!こんなにわかりやすい紙、嬉しいです!」
笑顔でお礼を言うと、風原さんがうっ……と倒れかけてしまった。
「だ、大丈夫だよ。それじゃあまたね……」
心配なんだけど……まぁ本人が言うのなら大丈夫か。そうして、僕は家に帰った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます