第2話
4歳になると妹ができた。
兄になるというのが嬉しかった。
僕の家族が増えた。
5歳になってある日のことである。
これが僕に対する神様からの最初の嫌がらせだった。
何気ない日常だったが突然「痛いやめて」と聞きなれない叫び声が聞こえた。
僕は恐る恐るその声の方へ行くと父が母の髪の毛を引っ張っていた。
その声は母の声であった。父が母に暴力を振っていた。
初めて見る光景であった。僕は恐怖で家を飛び出した。
走って走って親戚の家に逃げ込んだ。
親戚に拙い言葉で逃げてきた理由を説明した。
親戚のおばさんは私を抱きしめて落ち着かせ、おじさんは僕の家に行った。
その日の夜おじさんは僕に問いかけた。
「どっちの家で住みたい?」
僕はその問いに「おじさんの家がいい」と答えた。
おじさんは「わかった」と言った。
その後おじさんとおばさんは僕と妹のお父さんとお母さんになった。
この出来事が神様からの最初の嫌がらせだった。
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