第2話
めちゃくちゃに揺れているのと同時に、フッと電気が消えて、真っ暗になった。
これ、精神的にめちゃくちゃキツい。見えないって、本当につらい。つらいとしか言い様がない。
夜中だからね、本当に視界を奪われちゃって、満足に動けなくなるのね。物とか落ちてるから迂闊に動くと怪我するし、なにより、身体が竦んでしまう。物理的にも、メンタル的にも、本気でダメなやつ。
幸いスマホを握りしめてたから、画面の光でとりあえず、外してた眼鏡を探すのね。これがないとマジでなんも見えないから。せやけど、いくら探しても出てこない。
仕方ないから、カラーボックスの中に入れてた予備眼鏡を出してきてかけてるんだけど、少し度がズレてるから、これまたキツイよね。
あたしは自宅の2階にいたけど、1階の寝室から、家族がテンパって叫んでるのが聞こえてきた。
「大丈夫だから、枕元の懐中電灯持って!スリッパ履いて!」って大声で言うて。そしたら寝室から居間に出てくるように聞こえて。
「大丈夫かー!?」って、こっちに叫んでるのが聞こえたから、「こっちは大丈夫ー!なんともねーからー!」って答えて。
それから思ったのが、
電気が消えた・・・ってことは、水は・・・?
やばい、これ、やばい、やられてるかも。
そう思い、壁伝いに2階の洗面台に行って蛇口をあけた。案の定、出てこない。
「あー・・・やられた・・・ちくしょぉ・・・」って呟いてもた。
とりあえず自室に戻るけど、この一連と同時に、11年前にできたトラウマが発動。あん時の怖さ、つらさがフラッシュバックしてきて、頭に浮かんだ人に、日本語になってないメッセージをしてた。
混乱しながらも、職場のグループLINEに状況報告、友達のLINE・グループLINEに呼びかけ、創作関連Twitterに状況と連絡遅くなる旨のツイート、discordに状況のお知らせ。
その後、スマホの充電を守るため、省エネモードにして。DMやLINEは来るから、返事しつつ、充電出来るようにかるまで不自由だよ、遅くなるよって旨をお伝えして。
後で見直したら、ずいぶんと誤字とカタコトでメッセしてて、どんだけ取り乱してたか分かるね、こりゃ。
光を放つスマホの画面、これが本当に拠り所な。でも、充電を確保しなきゃいけないわけ。見ればこの時45%でね。
やべぇ・・・これ足りねぇ・・・ってなって。
んでも、フル充電したポータブルチャージャーをバッグに入れてたの思い出した。中を探ったら、すぐ見つかってちょっと安心して。
とりあえず落ち着かなきゃと思い深呼吸、ベッドに懐中電灯置いてたのを思い出して取って、光を頼りに1階に降りてった。足を踏み外したら終わるからね、それはもう、めちゃくちゃ慎重に。
懐中電灯で断片的に見える居間は、比較的マシだった。キッチンの方に光を向けると、もうぐちゃぐちゃ。うわぁ、見たくもねぇ・・・って感じ。
その隣にある和室では、箱に入れておいた貴重品系統の書類が全部飛び出て散乱。うーわ、目も当てられねぇよ、おい。
これまた隣にある洋室は、ちょっとした物置代わりにしてたもんだから、もう最悪。備蓄品なんか置いてたのが散乱しててさ。まあ、ある意味取り出しやすくなってたんだけど。
ソファがガタガタになっていて、それに当たったか、テレビが思いっきり落ちてしまってた。
それが、懐中電灯の光を当てると見える。
この心細さったら、ねぇんだわ。
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あかん、書き疲れてきた。
次回へ!
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