2022年3月16日 23時35分 大地震ってやつが来たよ
哉子
第1話
そんときは、既にベッドに入ってたね。
仕事で精神的にやられてクタクタ、ご飯もあっちこっち食べて、さっさとお風呂に入って。
この時「あー、バスタブ掃除・・・いいや、めんどくせぇ・・・。明日、沸かし直しで風呂入ろ。」なんて思ったもんで、なんとなく水の洗浄剤を入れて、お湯を溜めたままにしておいた。
これが正解だったなー。
ズボラは己を救う()
ベッドに入って、枕をクッション代わりに抱きながら、うつ伏せでスマホに向かって物書きしてたのね。けっこう頭悩ませて、表現が~くそ~上手くいかね~とか思って、書き直してるときね。
少しづつ、ゴーーーって音がしてきて、「あー、また地震やなこれ」って感じ。
ぶっちゃけ、11年前の大震災を経験してるもんだからさ。良くも悪くも、あれから地震慣れしちゃってるわけ。
いつもだと、ゴーーーって音がしてきたら、ガタガターって一瞬だけ揺れて、すぐに収まるんやけどね。
そんときは違うんさ。ドンドン揺れが大きくなって、前後に大きく揺さぶられる感じ。ペタっとうつ伏せになって、「あ、これ、ガチのやつやん?」って思い、身構えつつ収まるの待って。
この時は、めっちゃ怖いけどまだ少しは余裕がある。「あーもー怖いよもー」みたいなツイートしてから、「さて・・・物は落ちてるだろうから、明日仕事終わって帰ってきてから片付けすんべー」なんて思って、とりあえず続き書こうかな~それとも寝よつかな~って、スマホ構え直した。
その瞬間、
ドガン!!!!!
爆音と一緒に、下から思い切り突き上げられた。
トランポリンみたいに浮いた感じと、
フリーフォールの1番上から落とされる感じ。
これが混ざってるというか。独特なのよ、ほんとに。突き上げられてるはずなのに、落ちて行く感覚にもなるんよ。
その一撃がきてから、続けざまに、上下左右に揺さぶられる。必死にベッドにしがみついた。
枕元に置いているちょっとした雑貨が、全部こっちに落っこちてくる。
後ろのクローゼットの中から、物がドサドサっと落ちる音、衣装ケースがバキバキっと崩れ落ちる音がして、引き戸が勝手に開いてくる。
左側からは、カラーボックスに置いていた、小さい時に買ってずっと使ってるCDコンポの本体がガシャンと音を立てて落ち、一緒に飾っていたイラストもバタバタと落ちる。
前の大震災から、11年振りに叫んでしまったよね。
「ふぁぁぁぁ!きゃぁぁぁぁ!」
久々やん、こんな女子っぽい声出すの。
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げ、また余震!
次回へ。
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