異世界というか未来というか
バブみ道日丿宮組
お題:フニャフニャの窓 制限時間:15分
異世界というか未来というか
「……うん?」
朝起きると、知らない天井だった。
一体何がどうしてかと、視線を横に向けると、
「……誰?」
知らない女の子がすやすやと寝てた。
こ、これは……いわゆるお持ち帰りというやつなのか!?
で、でも……同性だしな? 多分違う。
それにしても可愛いこだな。うちの学校にいないタイプだ。金髪は地毛なのかな。ロシア人形のような繊細さと可憐さがある。触ったら壊してしまいそう。ネコミミとかあったら、可愛い気がする。
「……」
ゆっくりと、彼女を起こさないようにとベッドをもぞり。
それがいけなかったのか、
「……ん?」
彼女を刺激して起こしてしまった。
どうする? 昨日は激しかったねとでもいう? それともはじめまして? おはようのチュウ?
いろいろと考えてると、
「おはようございます」
寝起きとは思えないはっきりとした口調で彼女が言う。
「おはよう?」
疑問形にはなったものの、なんとか挨拶を返す。
わからないことは聞くしかないと、
「あなたはだれ? そしてここはどこ?」
素直に吐露する。
「わたしはあなたの契約獣。そしてここはわたしの住んでる世界」
「???」
何を言ってるんだこの子は。
起き上がった彼女は、
「異世界というものじゃなくて、ここはあなたのいた世界のはるか未来の世界」
さらに告げる。
「どうしてそんなことに?」
思い当たる節がない。だいたい契約獣なんて、僕のいた世界(過去)にはなかった概念だ。未来になったぐらいで増えるような感じはない。
「核戦争が起こり、人間は環境に適応するためにいくつか進化した」
疑問に思ってたからか、彼女が次々に情報を出してく。
「人間は動物を改良して、より人間に近いものにした。それが獣」
「擬人化みたいなもの?」
「わたしはこれです」
手を出された。
それは猫だった。肉球が可愛らしい。
「猫?」
「猫の改良品種です」
それはそれでよしとしよう。
では、なぜ僕がここにいるのか。
「あなたがここに呼ばれたのは、未来でいけないことをするから早めに回収しようというもの。この部屋は管理されてる」
指差したほうを見てみれば、窓には柵がついてた。でも、ふにゃふにゃと歪んでる。水の中にいるみたいだ。
「特殊な技法で構築されてるため、力押しであけることはできないようになってます」
なるほど。
「それで僕が悪いことをするって話だけど、そんな知能指数は高くないよ?」
「これからです。これから始まるのです」
「それって結局いけないことをさせるつもりなんじゃないの?」
「わたしたちは反組織です。いけないことを求めます」
なるほど。テロリストみたいなものか。僕はその道具として呼ばれたのか。
「それでは、ご飯を作りますね。これから、あなたのお世話をするのはわたしになります。そしてほぼ部屋から出ることはできませんのでご了承ください」
彼女はそういってベッドから出てった。
その後姿は確かに猫っぽいしっぽが見えた。
「で……どうしろと?」
未来が不安でしかない。
異世界というか未来というか バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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