闇底の魔法少女
蜜りんご
第1章 星空と魔法少女
第1話 蝶の誘い
ひら ひら と。
目の前を、蝶々が横切って行った。
白い胴体。透き通った羽。
羽ばたく度に、キラキラと光る鱗粉が舞い散る。
日を照り返して、とかじゃなくて。
鱗粉自体が、瞬いている。
クリスマスの時期になると、チカチカと町を彩る電飾。
あれの超極小サイズ・白オンリーがまき散らされている…………いや、それよりはもっと優しい感じの光かな?
綺麗で。不思議で。
思わず、手を伸ばす。
蝶々を追いかけて、手を、伸ばしてしまった。
何か。素敵なことが起こりそうな。
そんな予感がして。
伸ばした指先が、超極小電飾の奇跡に触れて。
瞬きを一つ。
瞼を下して。
瞼を上げる。
たったそれだけの間に。
世界が反転していた。
…………一転した、でもいいかもしれない。
兎に角。
世界は様変わりしていた。
結論を言おう。
あたしは。
蝶々に騙されたのだ。
白くて綺麗だから、てっきり縁起物だと思ったのに。
とんだ呪いの蝶々だったよ!!
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