10本目〜11本目の剣閑話休題

 ここは王都から少し東。

 城壁が連なる都。

 ここに居たるは異国の剣豪。

 刀を下げて人を避ける。

 刀がぶつかるこれ即ち"サヤーテ"などと。


「あん?刀?なんだそれは。」

「貴様も腰に下げてるだろう。というか太くないか?重そうだが。」

 ガキン!

 男の腰の剣がぶつかる。

「!。貴様。鞘当てとはいい度胸だな。この男とは日が浅いが腕の肉付きから考えてかなわないと知って。」

「?。すまんな。急いでるんで。」

「何を言うか。鞘当てとはこれ即ち決闘状。」

「まてまて。サヤーテとやらはわからんがお前の言ってるのは刀というものの話だろう?これは刀ではない。即ちサヤーテではないと。」

 チン。刀を鞘に収めるとビールを飲み干した。

「その刀とか言ったか?見せてはくれないか?興味が湧いた。」

 なにをのたまうか。

「刀とは命。まぁもし我に勝てたら触らせてやってもいいが。」

「おもしろい。さてやるか。」

 酒場の真ん中で向き合い睨みを効かせる。

 走った。刀で斜め下から袈裟斬りにしようとした。

 男はクルリと剣を回し、剣先で突いた。

 刀を持って一歩下がると目に向かい突き。

 男はそれをかわし、下から首元に剣を突き出した。

「ふっ、はっはっはっ。面白いじゃないか。刀が見たいんだったか?それ。」

 男に刀を渡すとビールを飲み直した。

「お前はなかなかいい腕にみえる。どうだ。俺を弟子にする気はないか。」

「・・・面白い冗談だ。貴様名は?」

「俺の名はジェロ。お前は?」

「俺の名は空也。」

「クーヤーか。珍しい名前だな。」

「クーヤーじゃない。空也だ。」

 どう違うのかと言う説明が出来ない以上否定もできませんでしたとさ。


 男は主。名のある国の偉い人。

 人は彼を主と呼ぶ。

 それが相応しいとかなをとかかんとか。

 空也の弟子になって早三年。

 アーサーと行動を共にするのは次の話。


 10本目〜11本目の剣。閑話休題読了。

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