7本目の剣
死神が命を刈り取る。
それを天使が連れ去って。
神に命を罰せられる。
これが本当の"黄泉送り"ってね
「ふむ。ではパーシーのカードをめくろう」
「ハートのAですね。私のカードはAのスリーカード。私の勝ちですね。」
「ふっ。それはどうかな?オープン!」
「これは...!ストレートフラッシュ!?」
「俺の勝ちだ。これでチップは全部俺がもらった!!はっはー。」
ここはかの有名なカジノのある街、いや国?
ともかくここへはもちろん剣を抜きに来た。
の前にちょっと「遊んでいかないか?」とアームドパルトが。
仕方がないので少しだけ遊ぶことに。
「おにぃさんおにぃさん。スロットがコインを吐き出して止まりません。故障でしょうか...?」
「!!!」
「お客さま!?大当たりですよ!?しかも今日一番の!ちょ、ちょっとお待ちください!」
「なんだなんだ?アーサーは機械音痴か?歌もさることながら。」
「アームド。アーサーがお困りです。一旦仕事に戻ります。」
アーサー!
「パーシバル。大当たりらしいんだけど止まんない。」
するとそこへゴテゴテしい装飾の男性が、
「お客さま。VIPルームへご案内いたします。どうぞこちらへ。」
VIPルーム???
「アーサー。お金持ちなどが入れる豪華な部屋。という意味ですよ。」
なるほど。ナゼに?
「こちらがVIPルームでございます。彼が当カジノの運営の者です。この街、この国の一番の功労者でございます。」
「やぁやぁ。君か。スロットマシーンが壊れるほどの大当たりを叩き出したのは。」
「アレで壊れる機械が悪い!」
「ははっ。たしかに。オイ。あの機械を全部今日中に撤去しろ。」
「かしこまりました。日付が変わる頃には撤去し終わっているかと。」
「さて。ではチップは全部金貨に代えますか?何か欲しい物があればそれに代えても。」
「あなたはこの国で一番偉いのですね?では木に刺さって抜けない剣をご存知ないですか?それとチップを交換で。いいですね?アーサー」
「アーサー!?アーサー王ですか!?あのアーサー王???」
ザワザワ。
「アーサーって本当に存在したんだ...。」
「ってことはあの騎士がパーシバル卿?」
「アームドパルトってのはどいつだ?」
「こほん!みなさま。お静かに願います。アーサー王ということはあの剣ですね。」パチン
男が指を鳴らすと地図を持ってこさせた。
「ここが今いるカジノ。ここに聖剣があります。馬車を寄越しましょう。それと聖剣を抜いた後ここに寄って下さい。貴女と勝負がしたい。もちろん賞品はあります。私の持つ聖剣の場所をお教えいたしましょう。三本は把握しています。それでよろしいですか?」
「よろしいです。あっ、それから情報源も教えて貰えれば。」
「アーサー王が勝てばお教えしますよ」
「彼のものの名をプラウド!」
スッ。
アーサーは躊躇いもせず剣を引き抜いた。
「パーシバル。アームドパルトは?」
「カジノで勝ち続ける限り稼ぐ。だそうです」
「アームドパルトも男の子ってことですか。」
「で?アーサーは勝てる見込みが?」
「いや?ないけど?」
「アーサー。相手はプロです。イカサマというのをご存知ですか?」
「ご存知ではありません。」
「いいですか?トランプは新しい新品のものは並びが全て同じです。つまりですよ。ある程度決まったカードを配ることが可能ということです。更に普通は一番上のカードを配りますが、客の目を盗んで一枚下のカードを配ったりするのです。これがイカサマ。」
「おー。くわしい。」
ですがね。とアーサー。
奇跡は起こす物ではない。起きるべくして起きる物なのです!
「アーサー。ここにカードが1枚あります。これがなんのカードか分かりますか?」
「わかんない。」
「ハートのAです。ではこちらのカードはクローバーのK。これを入れ替えたらどうなりますか?」
「それはこっちがクローバーでそっちがハートになるね。」
「それがイカサマです。」
「なるほど?じゃ、その2枚をババ抜きの時みたく持ってそれを1枚引きます。残ったカードと私の引いたカード。それでポーカーの役を作って見せましょう。いいですか?」
「まぁ、アーサーに分かってもらえるなら。」
アーサーは右のカードを引いた。
「・・・」
「ではこちらのカードはKです。そちらは?」
「残念!」
アーサーはうなだれた。
「アーサー。人は学んで強くなる生き物です。この失敗は」
アーサーがペラリとカードをめくる。
ハートのK。
「アーサー!?これは、ワンペアですか?」
「そう。アーサーは最弱の役で最強の手札にしたってわけですよ!!!」
ガタンっ!
馬車が揺れる。御者が動揺しているのがわかる
「アーサーがイカサマをしたなんて、知れ渡ると不味いです。」
「イカサマではありません。こういう言葉があります。イカサマはバレなければイカサマではない。と。」
「ではあの人数を騙すと!?無茶苦茶な...。」
「いえ。ですから奇跡なんです。起こすのではなく勝手に起きてしまう。イカサマじゃないんです。それに。」
「それに?」
「アームドパルトはやってましたよ。」
「ではアーサー王。ジャンルはなんにしましょう。ポーカー、ルーレット、他には当店限定のサクラチル。などがありますが。」
「全部で。正確にはその3つで2つ買った方の勝ちでどうでしょう。」
「え、ええ!そうしていただけるなら助かります。では順番にまずポーカーから。」パチン
ディーラーが現れ、カードをシャッフルする。
バン!
「いってぇー。パーシー!イカサマなんてやってないと!ってここどこだ?アーサー?」
「アームド。ここはアーサーが賭けをしているVIPルームですよ。」
「なんとなんと!アーサー様のお連れの方といえど邪魔してはいけませんよ。」
黒服の男がアームドパルト達を取り囲む。
「待ってください。どうでしょう。アームドパルトもこの賭けに参加させて欲しいのですが?」
「ほう。それはなぜですか?」
「賭けをする時1番恐れるのはイカサマです。それを阻止する抑止力としてアームドパルトを採用したい。です。」
「なるほど。そういうことなら。」
アームドパルトを抑えていた黒服の男達は立ち上がり後ろに手を回し道を開けた。
「いてて。なんなんだ?アーサー。」
アームドパルトが用意された席に座る。
「ではカードを配ってください。」
「かしこまりました。アーサー様。」
ディーラーが改めてカードをシャッフルする。
ディーラーが1枚ずつ配る。
アームドパルトが受け取る。
・・・全員に行き渡った。
アーサーがカードの役を確認する。
右から8、5、K、10、A。
絵柄もバラバラ。
「全交換で。」
「ではわたくしは2枚。」
「ああ。俺も2枚だ。」
アーサー。アームドパルト。偉い人。の順で配る。
右から8、2、8、6、A。
「ではオープン。アーサー王はワンペア。アームドパルト様はブタ。わたくしはスリーカード。わたくしの勝ちです。」
またカードが配られる。
右から3、3、6、J、J。
「一枚、いててっ!アームドパルト!なにするの」
アームドパルトが紙を渡してきた。
『アーサーの手札は?』
アーサーの手札はすこしずらすとアームドパルトに見える位置。
(これで見えるかな)
アームドパルトは視線を戻し考えこんだ。
「どうされましたかな?まさかイカサマの算段など?」
「ああ。そうだな。俺は全交換だ。」
「私は一枚だけ。」
「ではわたくしも全交換しましょう。」
アームドパルト。アーサー。偉い人。
きたカードは、J。
つまりフルハウス。
「ではオープン。アームドパルト様はブタ。アーサー王はフルハウス。わたくしもフルハウス。この場合はカードの強さで勝負します。
わたくしはA2枚10が3枚。アーサー王は3が2枚J3枚。つまりわたくしの勝ちです。というわけでポーカーはわたくしの勝ちということで。」
「ふむ。ところでスリーカードとフルハウスではどちらが強い?」
「賭場にもよりますが、ここではスリーカードのほうが。」
「ほう。ならこれは俺の勝ちだな。おっと。そちらからだと見にくかったか。これでどうかな?」
アームドパルトがカードの一枚をクルリと回転させ、見せた。
「?。このQがなにか?」
「ああ。右からA、K、10、Q、Jだ。つまりストレート!どうだ!」
アームドパルトの手札はさっきと全然違う役になっていた。
「な!?」
ざわざわ。
「おっと!イカサマを疑うのは勝手だがイカサマなどするわけないだろう?」
「・・・そうですね。イカサマを愉しむのもカジノの楽しみのひとつです。ディーラー。カードを。」
「かしこまりました。」
アーサー。偉い人。アームドパルト。
きた手札は右から10、Q、2、2、2。
「2枚です。」
「では俺は一枚。」
「わたくしも一枚です。」
アーサー。アームドパルト。偉い人。
ジョーカーがきた。
「ではオープン。アームドパルト様はまたブタ?ですか。」
「ああ。運の悪いことにな。アーサーはどうだ。」
「2のスリーカードです!勝ちましたね!これは!」
「アーサー王。残念なことにわたくしの手札はAのスリーカードなのです。」
「2ってAより強いよね?」
「アーサー。それは大富豪だ。ポーカーは賭場にもよるが確かここでは2は最弱だぞ。」
「コホン。つまりわたくしの勝ち。ですね。」
そんなー。とカードを投げる。
「!!。アーサー!そのカードは。」
「ババですか?」
「なんと。アーサー王はフォーカードでしたか。」
おぉー。
歓声があがる。
「アーサー。こんな空気の中でイカサマやるとはな。見直したぞ。」
???アーサーは混乱している!
「ではカードを配ります。」
アーサー。アームドパルト。偉い人。
きたカードは右からK、Q、9、4、3。
「俺は3枚だ。」
「ではわたくしは1枚。」
「じゃあ私は2枚...ちょっとまって。」
よく考えろ。クローバーとかそういうのは覚えてない。しかしだ。いままで10もJも4回でている。
「私は全交換します。」
きたカードは。
「ではオープン。わたくしはダイヤのフラッシュ。アームドパルト様はブタ!?またですか。アーサー王は。」
「ストレートフラッシュ!」
おぉー!
「ではアーサー王の勝ち。です。結果。わたくし1勝アームドパルト様1勝アーサー王2勝でアーサー王の勝ちです。」
では次にいきましょう。と偉い人が立ち上がりチップを5枚ずつ手渡した。
「ルーレットではどの数字に球が入るか予想します。5回で1番チップを増やした人が勝ちとなります。一箇所に一枚。残り勝負の回数以下にならないように賭けていただきます。」
「わかりました。」
「OKだ。」
アーサーは自分の誕生日4に賭けた。
アームドパルトは13。
偉い人は84。
ルーレットにディーラーが球をほおる。
カラカラ。コトン。
4。
「アーサー王の勝ちです。」
チップが2枚配られた。
「では。」
偉い人は99。
アームドパルトは24。
アーサーは52。
カラカラ。カラ。コトン。
52。
「なんと。アーサー王の勝ちです。」
チップがまた2枚。
「では。」
アームドパルトは60。
偉い人は42。
アーサーは51。
「アーサー王。チップを2枚以上賭けてもいいのですよ。」
「いえ。いまは一枚で大丈夫です。」
カラカラ。カラカラ。カラカラ。コトン。
51。
「アーサー王の勝ち、です。」
アーサーの手持ちは8枚。他は2枚。これではアーサーをいくら当ててもアーサーをこえられない。
「アー、サー。これは...。いやなにもいうまい!」
「では最後はサクラチル。でしたっけ。」
「サクラチルのルールをご説明します。このゲームはカードにチップを賭けていただきます。いまからカードをランダムにジョーカーを除いた52枚並べます。そのうちの一枚にチップを賭けていただきカードをオープン。3人の中で1番数字の大きい方が勝ち。というゲームです。気をつけていただきたいのがAは1。つまり最弱のカードということです。このゲームはチップがなくなった者が負け。最後まで生き残るのが目的のゲームです。では。」
偉い人が手渡しでチップを20枚ずつ配る。
目の前にズラリとカードが並べられる。
「では。わたくしはこのカードで。」
「じゃあ。これで。」
「俺か。オーナー!ひとつ聞いていいか?」
「なんでしょう。」
「カードを他の人に決めてもらうのはありか?」
「ええ。もちろんいいです。」
「じゃ。アーサー。決めてくれ。」
「え?私?」
「ああ。問題なかろう?」
アーサーは悩んで自分の横のカードを指定した。
アームドパルトは5枚。偉い人は3枚。アーサーは4枚。
「ではオープン。」
アーサーは6。偉い人はJ。アームドパルトはK。
「アームドパルト様の勝ちです。負けた我々は5枚支払います。」
「なるほど。賭けた枚数相手から取れるわけか。」
「そうなります。では。」
偉い人は10枚。アームドパルトも10枚。アーサーは4枚賭けた。
「ではオープン。」
偉い人はまたJ。アームドパルトはA。アーサーは3。
「わたくしの勝ちです。10枚徴収します。」
「頼むぞアーサー。最弱以外で頼む。」
アーサーは4枚。アームドパルトは5枚。偉い人も5枚。
「ではオープン。」
アーサーはK。偉い人は8。アームドパルトは10。
「アーサー王の勝ちです。4枚ですね。」
アーサーは13枚。アームドパルトは5枚。偉い人は10枚。
「ではオープン。」
アーサーは9。アームドパルトは4。偉い人は8。
「アーサー王の勝ちです。13枚。」
偉い人は10枚。アームドパルトは3枚。
「アーサー王はどうなさいますか?」
「オールイン!」
ザワザワ。
「わたくしの手持ちは18枚なのでそれ以上賭ける意味はないのでは?」
「めんどくさくなってきました。オールイン!」
「なるほど。ではこのカードで勝者を決めましょう。では。」
偉い人のカードはQアーサーは
「Jです。」
おぉー!
歓声が上がった。
「では残念ながらこの勝負はわたくしの勝ちと。剣の場所は2本分お教えします。」
「あー。なんだ。その。俺のカードKなんだ。」
「えっ?じゃあアームドパルトの勝ちってこと?」
「この場合そうなるな。」
「・・・アーサー王。剣の場所は3本分お教えします。そして。」
帰りの馬車の中アームドパルトは地図に印が付いたものを眺めていた。
「しかし出禁になるとはな。」
「私はまたきて欲しいと言われましたよ?」
「アームドはイカサマのしすぎです。当然の結果かと。」
「だがイカサマはバレなければイカサマではないのだよ。わかるか?パーシー。」
「その言葉をアーサーに教えたのは貴方でしたか。バレるバレないの問題ではないのでは。」
「はっはー。この金貨。何に使うかな?」
「親父さん。出発してください。」
悪銭身につかず。
しかしてアームドパルトは貯金を選んだ。
三本の剣はそれぞれ各地に散らばる。
それはまさに財宝のごとく。
人はそれを三色の地図といった。
山、海、人の行ったことのない秘境。
まさに三色といったところだろうか?
7本目の剣読了。
Thi・8本目の剣を始めますよろしいですか?
魔眼名:運命の魔眼
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます