5本目〜6本目の剣閑話休題

 ここはどこだ?南の島?

 かなり暑くてゲンナリする

 ここの位置さえわかったなら

 この島が何処かさえわかるなら

 いやー。"方解石"って偉大だね


『アーサー。アームドパルトについていうことはあるか?』

「いえ。そもそもアームドパルトはどうしたんですか?」

「うんん〝。俺から説明しよう。親父は俺に家名を譲って引退すると言っている。原因はアーサーに聞いて欲しいと。それとこれを。」

「私?なになに?」

 アーサー。

 アーサーよ。俺にいつも優しくしてくれるアーサーよ。

 アーサーよ。なんだかんだでいつもついてくるアーサーよ。

 アーサーよ。いたずらばかりのアーサーよ。

「なにこれ。」

 アーサーが絶望感溢れていると。

「アーサー。最後まで読んでくれ。」

 アーサーよ。イビキの五月蝿いアーサーよ。

 もうアーサーのイビキの中で眠れません。騎士辞めて隠居します。    アームドパルト。

「なにこれ。」

 アーサーの絶望感がゼロ域に達した。

「アーサーのイビキに絶望したらしいぞ。」

『アーサー。このことを戒める法はない。アームドパルトの襲名を認める。』

「アームドパルトならこういうでしょう。ふっ。話にならん。アームドパルトに会ってくる。と。」

「まあ親父にあうのを止めはしないが。村に帰ったぞ?」

「なら村へ出向くまでです。」

「そうか。なら案内しよう。」

 アームドパルトと2人アームドパルトの故郷へと向かった。

 村へといく馬車の中アームドパルトは質問を投げた。

「アーサー。アーサーにとってアームドパルトはなんだ?」

「アームドパルト?信用できる部下ですが。ですが、同時にアーサーの信用を得た数少ない人です。アーサーは実は人が嫌いです。あまり人を信用せず外から達観して見ることで人を測ります。アームドパルトなら私の氷を溶かすと思ったのですが。」

「そうか。」

 2人はそれきり黙ってしまった。

 村へつきアームドパルトの家によると。

「夫は森の鳥居にお参りに行っております。」

 ルワにそう言われて疑問に思った。

 昼間から森に?騎士を辞めたその日に?

 王の直感を甘く見ない方がいい。

「アームドパルト。鳥居とは?」

「鳥居ってのは神様の通り道で森の中にいくつかある。こっちだ。」

 アーサーは途中で90℃曲がった。

「アーサー!?そっちじゃない。こっちだ!」

「ならアームドパルトはそっちを探してください。私はこっちを。」

 ざくっざくっ。道なき道を。ざくっざくっ。

 池のほとりに門ひとつ。

 門をくぐると小さな祠。

 祠にお酒の瓶がひとつ。

(もらっておこう)

 アーサーは瓶をてにいれた!

(ここにはもうようはない)

 アーサーは道を見ると西へ進んでいった。

 とことこ。道の上を。とことことことこ。

 木を守るように門がふたつ。

 門をくぐると祠がふたつ。

 そなえるようにタバコ。

(おそなえものには手は出しません)

 足元を見ると拾ってくださいと人形。

 アーサーはにんぎょうをてにいれた!

(先へ進みましょう)

 緩やかな坂を登る。

 えい!やあ。山登りか。えい。やあ!

 階段の入り口に門がひとつ。

 門をくぐるともちろん階段。

 階段にはゴミがたくさん。

(もう証拠は充分)

 坂を下り道を東へ池のほとりを半周ぐるり。

「アームドパルト。」

 半周まわるとアームドパルト。

「アーサー。目的地はどこかわからなかったのか?俺についてこいとあれほど。」

「わかりました。昨日祭りがありましたね。その証拠にこれが。」

 アーサーは瓶をつきだした。

「なんだ?瓶?」

「そうです。一見お酒に見えます。しかしここにラムネとあります。さらに。」

 アーサーは人形を突きつけた。

「人形か?」

「そう。それも汚れひとつない。そして。」

 アーサーは坂の上を指差した。

「坂の上の階段がものすごくきたない。」

「それは悪口だ。」

「なんで私を誘わなかったんですか!?」

「悪い。俺も今初めて知った。それよりアーサー。これだ。剣が刺さっている。あと親父からの手紙が残ってた。」

 がさっ。

 親愛なるアーサー王へ。

 これを読んでいる頃には俺に騎士道はない。

 アーサーとパーシバルには世話になった。

 だがこんなことになった以上後には引けない。

 妻が病気にかかった。風邪らしい。

 たかが風邪だと思っていたが熱が下がらない。

 食事も喉を通らない状況だ。

 昨日は祭りに行こうと誘ったが断られた。

 残りの人生を付き合ってやりたい。

 俺の後は息子に頼んである。

 この剣は息子へのせめてもの気持ちだ。

 アーサーから渡してやってほしい。

 では。また会う日まで。アームドパルト。

「なんだ?アーサー?」

 アーサーは剣を握ると

「汝を守る剣。名をロアー。」

 アーサーは剣を引き抜き振り返る。

「この剣が折れることはありません。アームドパルト。あなたがふるう剣です。」

「つまりこの剣を俺に?」


 アームドパルトは50を超えていたらしい。

 騎士はもともと短命なもの。

 この歳まで剣をふるっていたのが奇跡。

 えっ?でもパーシバルも同い年じゃ?


 5本目〜6本目の剣閑話休題読了。

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