3本目の剣

 この男は未来から来たと言った。

 しかし男の話は数えるほどしかあたらず。

 男の話聞く者は数知れず。

 男は信仰の対象になり。

 男の正体は悪魔の来訪か。神の再来か。

 いつしか話は回り回り本になる。

 それこそがかの"イソップ物語"成せり。


『アームドパルトよ。報告はそれだけか?ならばアーサーを呼んできてくれぬか。至急のようがある』

「王よ。御言葉だがそれはメイドの仕事では」

『しかしメイドに探させてもアーサーは何故そこに登ったのかわからないところにのぼっていたり誰も近づかない空き部屋にいたりする。

 しかし昼食のサンドイッチをいつも届けているのは誰だったか?』

「YES。30分もあれば連れてきましょう。」

 しかし30分といったことを後悔してしまった

 アーサーは謁見の間の扉の上にいた。

「アーサー!なにをしている!危ないではないか!」

 アーサーは望遠鏡を背に背負ったリュックにしまい扉の凹凸をするすると滑るように降りた

「呼ばれたので飛んで来ました」

 アーサーのこの直感のような行動力はナゾだ

『アームドパーーーアーサーか。もう30分経ったか?いや時計はまだ3分しかたっておらぬ。』

「父上殿。最近書類仕事が多くて時間がたつのがはやいのでは。火急のようとはなんですか?」

『アーサーよ。最近王都で読み物が流行ってるのは知っているか?その読み物は南の街から行商人が大量に仕入れたものだという。その街は最近まで王都とは交流をたっていた街だ。

 その街に行き、街のものが王都に敵意がないか調べてきて欲しい。そしてその街には剣があるらしい。それも調べてくるといい。しかし街の者に何も言わずに剣を抜くのはダメだ。普段興味がないものでも勝手に持ち去られると不愉快になるだろう。争いの種は避ける事だ』

 アーサーは扉に近寄ると

「アームドパルト。登れないなら諦めた方がいいですよ。」

「うぅむ。ここまではいいとしてこの扉の真ん中の反ってる場所はどう登ったのか。やはり子供の体格にしか登れないのか?息子にやらせたら登れるだろうか。いやしかし息子はこのようなパズルを解くように登ったりするのは苦手だと。」

「アームドパルト。そこは最初に勢いをつけて反ってる場所を飛び越えて登ります。アームドパルトの息子は体格の割に筋肉が強い。きっと登れます。」

「そうか。今度元王がいないときに息子にやらせてみよう。」

「今度の任務は調査任務です。パーシバルにはお留守番してもらいます。代わりにアームドパルトの息子に同行してもらおうかと。鎧はNGです。なるべくくたびれた服を着てきてください。用意出来なければ誰かから借りてもいいでしょう。むしろサイズが合ってない服の方が好ましい。出発は早い方がいいです。明日は無理なら3日後はどうですか?今日は水曜日なので土曜日ということで。」

「わかった。ところでアーサー。質問があるのだが。アーサーは少し前から言葉数が増えたように感じる。それに街人の服装などどうして知っているのか。」

「・・・パーシバルは言ってないのですね。

 実は記憶喪失なんです。一番古い記憶は私が男の子で祭りの日に剣に手をかけたところなんです。」

「そうか。だがアーサーは前と比べても行動はそう変わらん。中身はアーサーなんだろう。」

 アームドパルトの言葉に安堵したが自分の服をどうするか考えていなかったことを思い出し、頭が痛くなってきた。


 ーーー土曜日ーーー

 アームドパルト達は地味ではないが派手ということもないしかし貴族のような服で来た。

 パーシバルと兵士長の息子に服を借りていた。

 アーサーはというと

 厚手のパーカーしかも黒一色に男の子が普通につけているような帽子に片側にピンバッジが2つ付いたものをかぶっていた。その帽子の後ろから金髪を下ろして風に揺れていた。

 ズボンはアーサーに奇跡的にピッタリのものだった。

「親父。アイツの格好なんか見た事あるとおもったらアーサーが仲のいいメイドの娘に誕生日パーティーのときズボン以外、いやズボンもこみで一式プレゼントしてたのをみた。それのズボンだけ自前で他はそれだ。しかしアーサーは本当にそのセンスだったんだな。メイドの娘は泣いて喜んでたが。」

 アームドパルトは天を仰ぎそうだ。娘は反抗期ということにしよう。と。

 そして何も言わずに2人を馬車に乗せてパチンと合図を出して馬車を走らせた。

「なるほど!貴族はこういう合図で馬車を走らせるんですね!」

「違うぞアーサー。親父は笑いを堪えるので言葉が出なかっただけだ。普通こんな合図出したら御者にどやされる。御者は気を使ってくれたんだ。」

「なら普段からこの格好をしていたらいまの合図が出来るわけですね。」

「アーサーは普段からそんな不良娘のような格好をする気なのか?」

 アーサーはクビを傾げた

「不良娘、とはなんですか?アームドパルトは知っていますか?」

「アーサー。人に聞くだけではわからないこともある。そして提案がある。私は近くもなく遠くもない距離で見守っている父親、という設定で行こうと思う。息子。この任務の給料はお前の活躍次第だ。がんばってくれ。」

 そういうとアームドパルトは目をつぶって寝たふりをはじめた。

「親父。安らかに寝たふりしてくれ」

「そうですか。ところでさっきの不良娘というのはどう言った意味なのですか?」

 2人はアームドパルトが本当に寝てたら五月蝿い!と怒られるくらい盛り上がっていた。しかしアームドパルトはどこかから耳栓を用意し付けていたので怒られることはなかった。


 ーーー月曜日・南の街ーーー

 アームドパルトは後ろから付いてきていた。

 馬車に2日近く乗っていたがアームドパルトは何一つ喋らなかった。

「アームドパルトは悟りを開いているのですか?」

「親父は普段朝から夕方まで剣を振っている。だからこの暇なのくらいどうってことはないんだ。俺だってそのくらいできる。この状況じゃなければな。」

「状況?」

「嗚呼。例えばあそこの林檎屋の隣の屋台をみてくれ。アーサーは字は読めるな?」

「り、んご、あ、め?」

「りんご飴といって祭りのときに欠かせないお菓子だ。」

「あれ。お菓子なんですか?美味しいのですか?」

「りんご飴は飴の部分を齧る。そして林檎が出てきたとき丁度のどが渇いて林檎を齧ると果汁が喉を潤してくれる。だがそれだけじゃ喉は渇くそこであの屋台だ。」

「あれは飲み物ですか?オレンジジュースにイチゴオレというのは美味しいのですか?」

「買ってみればわかる」

「しかし私はお金というものを持たされてない。どうすれば?」

「俺に任せろ。」

(小)が(大)に近づき意見があると言う感じで手をあげ、(大)が喋る前に(小)はお腹に手を当て片方の手をだした。

(大)は硬貨入れを取り出し銀貨2枚を渡した

 そして(小)は屋台に近づき

「オヤジ!りんご飴2つ。」

 といいりんご飴を受け取り代わりに銀貨1枚わたし銅貨を3枚受け取った。

 アーサーにりんご飴2つを持たせ同じようにジュース2つを買い

「あっちに広場がありそうだ。そこで食べよう」

 と、慣れたように広場にいき椅子に座った。

 右から(大)(小)アーサーというように座って食べ始めた。

 しばらくすると(大)はホットドッグを買ってたべはじめた。

「アームドパルトにジュースを買わなくてよかったのですか?」

「嗚呼。親父は甘ったるいのは飲まない。酒が飲みたいかもしれんが親子連れが酒を飲むわけにはいかんからお茶でも飲むだろう。」

 どこから取り出したか水筒のお茶を飲み一息ついていた。

「まあこれで一つ目の任務は大体完了でいいんじゃないか?祭りでもないのに屋台がこんなにあるし、年寄りも見かけない。外から来たやつとそれを相手に商売してるやつ。そのどちらかしかいない。つまり商人の街ってことだ。そんなところが戦争に興味があるなんてことは聞いたことがない。」

「アームドパルト。もしかしてここの街に詳しいですね?来た事ないといっていましたが調べて計画を立ててたようですね。兵士長が来たことあると聞いたので兵士長に話を聞いて計画をたてたとか?」

「アーサーには分かるらしいな。兵士長の話聞けばどんな街かは想像できる。」

 アームドパルトは息子はヤンチャ。と言っていたがその実結構計算高い。ヤンチャなのはその通りだが考えるときは考えている。

 アーサーと気が合うという数少ない子供だ。

「さて、剣だがアーサーはどこにあるか聞いてるか?俺はサッパリだ。」

「私も聞いてません。ただ父上は街の人は興味があまりないと言っていたので人のあまりいないところに刺さってるのではと考えていました。剣が邪魔ということでそれを避けて建物や店を建てているのではと。それを聞くにしても剣を抜いていいか?というのを誰に聞きましょう?」

「街ではなく町なら町長というのがいるが、街なら誰が偉いんだ?」

 2人、いやアームドパルトが考えていると

「アームドパルト。ちょっと見てほしいものがあるのですが。」

 アームドパルトがアーサーをみつめていると

 アーサーは立ち上がり身だしなみを整え、帽子のツバをつまみ少し斜めに動かして深くかぶった。アームドパルトに顔だけむき人差し指でツバを押し上げながら顔を上げ笑顔でこう言った。

「いやー♪暑いですね☆」

「暑いのはお前だけだ。その服は春に着るものじゃない。着るなら冬だ。」

「朴念仁。そうですね。この街は商人の街ということならそれを取り仕切る、問題なんかを処理する人が居るはずです。その人にどう合うかが問題だと。」

「まあそろそろ親父殿に起きてもらうか。親父ならなんか思いつくかもしれん。子供じゃ思いつかんこととかな。アーサー親父の耳栓を外してやれ。」

「了解」

 アーサーはアームドパルトの耳栓をひっそりと外し、アームドパルトの耳に向かって

「わぁーーーーーーーーーー!!!!!」

 と叫んだ。

 するとアームドパルトは目を開けて

「アーサー!?」

 といいこちらをみた

「親父。手詰まりだ。アイディアを出してくれ。」

 アームドパルトはパチパチと瞬きをして

「状況を説明してくれ。それからだ。」

 状況を説明している間アーサーはそれを聞き考えをまとめていた。

「剣のことはまた今度でいいだろう。あくまでついでと言われているからな。」

「待ってください。試したいことが。」

 そしてアームドパルトにさっきりんご飴を買った店でこの街の剣が刺さった木を知っているかと聞いた。やはり知っていて、その剣が欲しいといい、それならと店主が奥から出てきてある建物に案内した。そのたてものの3階のとある部屋でしばらくまたされ他の部屋に通された

「やあ。こんにちは。きみたちかな?剣が欲しいというのは。剣ならこの建物の前の鍛冶屋で買うといい。」

「いや。そうじゃない。私はある貴族の屋敷に働かせてもらっている執事です。その主人にある剣を買ってくるように言われはるばるやってきたわけです。主人は珍しい剣を集めている。それこそこの世にひとつしかない剣を。そこでこの街に大木に刺さった剣があると聞き、つかわされました。主人は金貨30枚ほどの用意があると聞いています。そこでこの街を仕切っている人に会い交渉したいと。」

「なるほど。この街は平等を掲げている街です。なので偉い人と言われても思いつきません。しかし信用なら別の話です。おそらく街で一番信用されているのは誰かと聞かれ私の名を出す人も少なくないでしょう。つまり私がいえばみんな納得してくれると。しかし金貨30枚ですか。」

「いや。主人はもっと出すかも知れません。この娘。いや彼女を見てほしい。腰に剣がある。彼女は主人の娘にあたりこの剣も他の街で買ったものだ。額にして金貨60枚ほどだ。」

「額はさっきのでいいのですが、売るも何もあの剣は抜けないと知ってのことですか?抜けない剣を金貨30枚で売ったとあれば私の信用も落ちます。諦めるのが賢明です。」

「しかしこのまま帰ったのでは主人に合わせる顔がありません。そこでどうでしょうか。彼女に剣が抜けないと証明してもらうというのは。抜けないのであれば主人も納得するだろう。

 万が一抜けたなら金貨30枚で買わせてもらう。というのは?」

「分かりました。ですが私も忙しいので、秘書に案内させますが無礼をお許しを。」

 男が部屋の机に置いてあったベルを鳴らすと

 メガネでスーツのキッチリとした秘書が出てきた。

 男が説明するとこちらへ。といわれアーサーたちを街の外へと案内した。

 そこには丘が広がっており丘の上に木が生えていた。

 その木に案内すると秘書はこれでございます。

 と丁寧に言った。

 アーサーは

「では抜いてみましょう。まあこのくらいならすぐに抜けそうですが。」

「お言葉ですがこの剣普通に見えて大人10人で縄を掛けて引っ張っても抜けません。おそらく抜けないと思いますが。」

 アーサーはコクリと頷き剣に手をかけた

(貴方の名前は、へファイス!)

 アーサーは力を込めグッと引き抜いた。剣が動くと秘書は口をつむぎアームドパルトは金貨30枚って用意できるのかと不安になった

 アーサーは剣を引き抜くと剣を掲げ、ため息をついた。

 秘書は慌てて

「と、とりあえず、ご主人様に報告して、金貨について話してください!私の一存ではどうにも...。とにかく一度戻っていただき、まさか抜けるなんて。」

 アームドパルトは秘書が慌てるのが面白かったが笑いそうになるとアーサーに足をガンっ!と踏まれ睨みつけられたので我慢せざるおえなかった。


 ーーー1時間後・第一商会ビルーーー

「お待たせしました。その抜いた剣を見せてもらっても?」

 アーサーはコクリと頷き剣を差し出した。

 男は剣を色んな角度から眺め

「なるほど。この剣はたしかに貴方がたのものです。金貨15枚でよいでしょう。これでも商人のはしくれ。価値を見る目は持っています。

 ところでこのあとはどうする予定ですか?」

「ああ。街の外に馬車を待たせてある。金貨は後に使いの者に持たせる予定だ。我々はかえーーー」

「いえ、アームドパルト。いまから出発しては屋敷に帰るのは夜遅くになります。それにこの街の西側はまだみてません。そっちもみたいのですが。」

「そういうことなら私の家に泊まってください。この街に宿屋はありません。みな日帰りでくるので。たまに旅行できて泊まる場所がなく困っている人は私の家に泊めています。幸い今日は客人はいません。気兼ねなく泊まってください。明日は案内を1人つけましょう。料金は結構。案内人にチップくらいは渡していただければこちらには払わずにいいでしょう。」

 アームドパルトはこの街に入ってビルしか見ていなかったのでビルに泊まるのか。と消沈していたが街の真ん中にある屋敷に案内され安堵した。

 屋敷のお風呂はアーサーも見たことないライオンの像の口からお湯が流れ出る物だった。

 お湯はどんどん流れてくるが溢れる様子がない不思議なお風呂にアーサーは興味深々だったが予想以上にお風呂が気持ちよかったのでどうでもよくなった。

 アーサーが風呂からあがるとメイドらしきひとに着替えを渡され服は洗濯して明日渡すと言われた。

 その時剥き出しの剣は色んな意味で危ないので鞘を渡された。不思議とピッタリおさまりアーサーの腰に挿さる剣は2つになった。

 アーサーは女の子なのでもう一部屋用意されていてフカフカのベッドにとびこむと、

「ふにゃ〜フカフカ〜。」

 といい寝てしまった。

 そのとき窓の外に人影があったことには誰も気づかなかった。


 ーーー火曜日ーーー

「ではアーサー様とお付きの人。こちらへ。」

 これは...小さな馬車?

「これは馬車ですが、引いてるのは馬ではなくロバというものです。街中ではこちらが一般的で。」

 歩くのは疲れそうなので有難い。

 ガタゴトと揺られ数分。

「アーサー様。こちらが住民が住む地区です」

「へー。」

 そしてまた揺られ揺られ数分。

「アーサー様。こちらが街1番の公園です」

「そうなんだー。」

 そしてまたまた揺れて数分。

「アーサー様、」

「だぁー!これじゃ観光じゃねー!俺は降りる!」

 アームドパルト(小)がキレながら馬車を降りた。(大)はやれやれと続いて降りたのでアーサーも降りざるを得なかった。

「街の地図は!?俺にまかせろ。この街の隅から隅まで案内してやる!一回来たことあるから大体は把握してる!とりあえず地図だ!」

 地図を渡され数秒。

「こっちだ!」

 と、アームドパルトは歩き出した。

「ここが街で一番のでぱーとってやつだ。でぱーとというのはビルのような建物に一階からそれぞれ小さな店が集まったそうごうひゃっかてんの別名だ。ここのでぱーとでアーサーが見て喜びそうなのは3階の玩具屋と5階の服屋だな。」

「ほうほう。」

 3階の玩具屋と5階の服屋で買い物するとアームドパルトは馬車に近寄り

「おっちゃん!これ街の入り口に馬車とめてあるからアーサーからっていえばわかるはずだ」

 馬車のおっちゃんに荷物を持たせ

「よし!つぎだ!」

 とアームドパルトがふんふんとはなをならし歩いて行った。

「ここだ!さっきも来たがこの街で一番広い公園はここだ!」

「よく知ってますね。なるほど。」

 アーサーが花畑の周り、噴水、ブランコなどに一通り触れると、

「よし!つぎ!」

 歩いて30分ほどのところで

「ここが街唯一のじんじゃってところだ。俺たち騎士には馴染みがないがかみさまってのを祀ってるらしい。アーサー。ここには作法がある俺につづけ。」

 アームドパルトは水飲み場のようなところでしゃくというもので水をすくい左手、右手、最後に口を触り、

「いいか。これは水を飲むんじゃない。あくまでくちびるをぬぐうだけだ。」

 アーサーが納得して繰り返す。

 アームドパルトは賽銭箱の前に行き銅貨を一枚投げ入れた。

「人によっては銀貨や金貨を入れたりするが子供は銅貨で充分だ。このとき鈴を鳴らし入れた後は2礼2拍手一礼をする。俺の親父は2拍手一礼3拍手なんてウソついてたが正しいのはこっちだ。」

 アーサーは(大)を白い目で見たがすぐに鈴を鳴らした。

「よし。おみくじを買ってお守りを買ったらここは用済みだ。」

 アームドパルトは修学旅行にでも来ているのだろうか?

「つぎだつぎ!」

 そこから歩きながらお土産を買い次についたのは

「ここが最後だ。アーサーならここだよな?」

 アームドパルトが指差した先には大きな本屋が建っていた。

「ほう。つうですね。」

 アーサーはこう見えて本の虫と呼ばれるほどに本好き。

 図書館ではなく本屋を選んだのは借りると返さなくてはならない。すなわちまた来ることになる。それならいっそ買ってしまえ。

「どうだアーサー。これこそ、観光だろ?」

「アームドパルト。ちょっといいですか?」

「なんだ?ふむなるほどそうか。親父ちょっと来てくれ。」

 アームドパルト達がアーサーから離れると

 ドンっ!

 アーサーに子供がぶつかりそのまま走っていった

「アーサー!」

「アーサー様!大丈夫ですか!?なにかとられたものなどは...。」

「財布は大丈夫です。むっ?剣が片方ありませんね。」

「それは!ひったくりでしょう!今の子供の人相は覚えています!すぐに手配書を作りましょう!」

「そうしてもらえると助かります。つきましては代金の方は盗まれた剣が返ってきてからと」

「それは盗っ人が悪いから盗っ人に請求をと?」

「そう思ってもらうと有難い。」

「・・・ええ!もちろんです!盗っ人は責任を持ってこちらが処理します。どうか安心いただければと。では馬車で街の入り口までお連れいたします。ささっ!どうぞ。」

 馬車が入り口につくと礼をいい街を後にした。

 街の外につき周りを見渡すと

「ほれ。アーサー。剣だ。」

 アームドパルトが投げ渡すと

「キャッチ!」

 アーサーが受け取った。

 アーサーは剣が取られる事を見越して替え玉を用意していたのだ。

 つまり盗っ人が盗っていったのはアームドパルトの剣でアーサーの剣とすり替えていたのだ。

「っと。剣が。」

 アームドパルトが気づいた。剣が光り先から崩れて消えてしまった。


 彼には商才があるに違いない。

 人の求める物がわかる。

 人の見たい物を考える。

 それを補う知識がある。

 だが彼は商人にはなれない。

 彼はもう立派な騎士なのだから。


 3本目の剣読了。

 Thi・4本目の剣を始めますよろしいですか?





 魔眼名:商才の魔眼

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