2章③

 嘘です、すぐにできることがあったよ!


 魔石です!僕の近くに魔石があるんです!テンション上がりまくりです!

 この魔物は僕が倒したんだから、魔石を僕がもらっても文句を言う人はいないはず!手当が終わった僕はみんなが話し合っている場所の近くに置かれた魔石に向かってダッシュします!みんな「えっ、どうしたの?」って感じで驚いて固まっているけど、むしろチャンス!2センチくらいの大きさの球体の魔石を口に入れ飲み込みます!飲み込んだ後になって我に返ったお爺さんが「コハク、何やっとるんじゃ!」と怒り始めました!

 お爺さんが走ってきて口の中に手を突っ込んできました!

 ―ぎゃああああぁぁー、やめてやめて、吐く、リバースしちゃう!―

 周りの人が我にかえってお爺さんを止めてくれました。危なかった…。

 魔石は魔物の証明に必要だったからお爺さんは吐き出させようとしたそうですが、周りのみんなから、こんなネズミは普通の動物にはいないから大丈夫だろと言われ、お爺さんは落ち着きを取り戻してくれました。よかったです…。


 まだ他の人たちはもしダンジョンだった場合どうするかとか話し合うそうだけど、問題(魔石の件)を起こし、怪我して疲れていると判断された僕はお婆さんに連れられて家に帰りました。帰ったらさすがに寝床で(表向きは)おとなしくしておくとします。実際は管理人さんに言われて食べた魔石の効果を確かめるけどね!

 寝床に横になり変わった感じがしないか確かめるけど、よくわかんない。

 あれ、でも目を閉じているのにお婆さんがどこにいるかわかる気が…。

 うーん、何だろうね?

 あ、そうだ!魔石よりもすぐに変化が分かるものがあるじゃん!魔物を倒したんだからレベルが上がっているかもしれない。今までは魔物の魔の字も出てこなかったから1度も見ていなかったステータスを今こそ見るべきだよね!決して種族とかわかるのが怖かったわけじゃないよ!

 …ところでどうやって見るんだろう?管理人さんはステータスがわかる能力をくれるって言ってただけで、どうやって見るのか聞いてない気が…。

 とりあえず、ライトノベルでやってたように『ステータス』と念じてみる。すると頭の中に浮かんできました!


 コハク

レベル:2/5(UP)

種族:ジャングルキャット(アルビノ種)

占有スキル:ステータス、進化の理(ことわり)、魔石摂取

獲得スキル:気配察知LV.1(NEW)


 …とりあえず、やっぱり普通の猫ではなかったみたい…。でも今では感謝してる!

 僕が倒したネズミは魔物でも弱い方だとみんなが言ってた…この体の大きさと力で苦労したのに…。僕が普通の猫だったら、魔物に勝てる気がしない。そしてレベルを見た感じネズミが弱いのは見違っていないと思う。魔物ですらないレベル1だった僕ですらレベルが1しか上がってないということは、恐らくあのネズミは雑魚で間違いない。

 気になるのは『魔石摂取』と『獲得スキル』。魔石摂取の方は間違いなく管理人さんがプレゼントといっていたスキルだと思う。大穴で僕が元々持っていたのを教えてくれたという可能性もあるけど、まぁどちらでも関係はないよね。獲得スキルは恐らく魔石を食べることで得られるスキルのことじゃないかな?そうじゃないと魔石を食べる意味がなくなる。

 それに獲得スキルが魔石によるものなら、あのネズミの魔石から気配察知が獲得できた説明はつく。あのネズミ、僕が音も何も出してないのに距離があっても気づいたからね。あれが気配察知によるものだったんだろう。スキルの説明がないからわからないけど。


 これは試してみないと…。

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