後悔したら活かせるように…

yukiy's

ララクト編

序章①

 14歳の誕生日。


僕は病室の窓から外を見ていた。


 枕元にはさっきまで読んでいた兄さんから差し入れにもらったライトノベル。


 いつも外に出て遊んでいた僕は4つ上の兄さんが家で本を読んでばかりいるのが不満だった。前は一緒に遊んでくれていたのに…。


 そんなことを思っていたのは入院するまでのこと。


 つい1週間ほど前、交通事故に巻き込まれた僕は手術を受けた。事故で血がかなり出てたから輸血が必要なくらいだったそうだ。手術は無事成功。あとは動けるようになるまで回復すれば退院できるらしい。


 今は動けないから兄さんがくれた異世界転生もののライトノベルを読んで暇をつぶす毎日。平日の昼間に僕くらいの年の子が見るテレビ番組なんてないからこれを読むくらいしか楽しみがない…。


 僕でも楽しめる本をくれた兄さんには感謝してる。前はライトノベルを読む兄さんに不満があったけど、今はそんなことないね。読んでみたら面白いじゃん。


 想像が膨らんで、主人公目線で自分も無双してる気分だ。カッコ良く動く自分を想像してばかりいるからか、今の体のだるさが気になる。運動してないからかなぁ…。




 それからしばらくしてからリハビリが始まり、無事退院することになった。


 でも学校の体育中にすぐに疲れるようになり、最後には倒れてしまった。




 病院で調べてみても最初は原因がわからず、手術と入院による体力低下だと思われていた。


 しかししばらく経ったころに医者の様子が変わった。手術の時の輸血した血液が他の患者さんが自分の手術用に保管してた血液で、その血液は他の病気に感染してたという説明を受けたのは、それから半年後のことだった。


 体力を落としていたのは手術と入院によるものだと思われていた僕は判明が遅れ、もう病気に対抗する体力も残ってなかった。それからさらに半年後、意識朦朧としていても両親や兄さんが名前を叫んでいることはわかるが、それに答えることもできずに僕は意識を失った………。




 父さん、母さん、兄さん、…ごめん…ね……。

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