第20話 【元魔王の雑談部屋】2
(さて、本題であるな……これを知らんと我が仕事に忙殺されてしまうのである。王太子もどうにかしたいが、物語の情報だけでは予測がつきにくい。仮に出会えればボコリたいが、証拠が無いしな……バレずにやるか……)
65:元魔王
本題であるが──父上が死んだ理由を知らぬか?
物語では既におらんかったであろう? どのタイミングで死んでいるかとかわかればと思ったのだが……
66:黄昏のニート
裏設定か……すまん、わからん。
67:迷える暇人
これ確か、近況とかに書いてなかったか?
68:名無しの勇者
マジで? それは見てなかったな
69:導き手
確かに書いてましたね。ただ、今は消されていますが……
父親であるクレイ・レイモンドはアークに力を継承させるタイミングが……あれは確かダンジョンだったはずです。
(おぉ、聞いてみるものだなッ! こやつら頼りになるではないかッ!)
70:元魔王
ダンジョンか……詳しくわかるか?
71:導き手
反応から私が一番知っているはずですので覚えている事を書きますね。
確か、読者の感想で質問があったらしく、本編では関係無いので近況ノートに書かれていたはずです。
さすがにかなり前なので断片しか思い出せませんが、突如現れたダンジョンを潰す為にレイモンド家を筆頭に国の防衛を携わる人達が王太子の命令で動かされたはずです。
その時に生き残ったのはアークと数名だった気がします。つまりクレイ・レイモンドはそこでアークに継承して死んでいるはずです。
72:元魔王
なるほど。また王太子か……
(……これはまた、きな臭いな……)
73:導き手
確かアークが他の貴族と疎遠になるのもこれが原因のはずですのでダンジョンの任務の時は細心の注意を払って下さい
74:元魔王
うむ、大義であった
75:迷える暇人
俺も少し思い出したわ。
あれって確か、勇者候補もそこで死んでなかったか?
76:導き手
あー、確かにそうでしたね。王太子は勇者に憧れてましたから、成り代わる為に亡き者にする目的もあったはずです。
(勇者候補か……確か物語では称号欄というのがあったな……すっかり忘れておった……確か──アークの称号は【先導者】だったな。スキル『鑑定』では確認出来なかった気がする……今度『鑑定眼』でもう一度詳しく調べてみるか)
77:名無し勇者
しっかし、王太子クズ過ぎるだろ
78:黄昏のニート
ほんそれ
79:元魔王
とりあえず、証拠さえ掴めばいつか王太子はボコるがな
80:黄昏のニート
さすまお! 男前だぜ!
81:迷える暇人
さすまお。パネェっす
82:名無しの勇者
それよりダンジョン攻略って弱体化してたら無理じゃね? 何か案はあるのか? パワードスーツとかあったり、変身とか出来るのか?
(変身は出来ぬな。パワードスーツ? それも調べておくか)
83:導き手
この時にクレイがアークにスキルとは違う力──異能『
(仮にダンジョンで父上を死なせなくても継承されると代替わりになりそうだな……)
84:元魔王
ふむ、ならばダンジョンは我がさっさと潰せば問題なかろう。
継承を受けると父上の死亡フラグになるのか……やはり何か別の手を考えねばならぬな……。
85:名無しの勇者
本編ルートと関係無いフラグ折りか……王ならやってくれると信じてるぞッ!
86:迷える暇人
ご武運を
87:黄昏のニート
だなッ! 王ならダンジョンぐらい簡単に潰してくれそうな気がするぜッ!
それよりソアラやフィーリアの実物見てみたいなぁー。写真とかあったら貼ってよー
88:導き手
また困った時はここへ来て下さいませ。我ら四天王はいつでも味方になりましょう
89:元魔王
うむ、此度は助かった。また頼む。
確かに褒美は必要であるな。写真か……ちょっと出来るかどうか調べてみる。
今はビームサーベルとやらが気になる。作ってみたいので離席する
また会おう
(今回は助かったな。これで父上を死なせなければ我の学園生活はソアラと楽しく過ごせるであろう。それより写真か……確か景色とかを記録出来る紙だったはずだが、ここに貼れる物なのか? 暇な時に出来るかどうか確かめるか……何事も褒美を出し渋るとろくな事がないからな)
────元魔王が離席した後────
90:導き手
凄いですね……新しくラノベ書けそうなネタでしたよ? むしろ書いて欲しいのですが。
本当にそんな異世界があるのかと思ってしまうぐらいでしたよ
91:迷える暇人
だな。褒美とかくれるらしいし、次でラノベ書いてもらおうぜ!
それより黄昏のニート、ちゃんとやったよな?
92:黄昏のニート
当然。このスレは僕達しか入れないようにハッキングしたよ
93:名無しの勇者
さすがだな。次も頼んだぞ。そして写真の話はファインプレーだ。
94:黄昏のニート
ふっ、見てみたいからな! それに本当かどうか俺は確認したくなった
しかし、裏設定もクソ使用で草生えたんだが……
95:導き手
しまった……言い忘れていました……。
レイモンド家を支えているランベルト家が裏切るきっかけになったのはこれがきっかけだったはず……
96:迷える暇人
そういえば……他にも──
妹ミラもこの時には婚約決まってたよな?
しかも洗脳済みだったはずなんだが?
さっきの話に関係してたような……
肝心な所が思い出せん……
97:名無しの勇者
まぁ、王の事だ。ぬかりは無いだろう
98:黄昏のニート
だな。詫びに今度また異世界で役立ちそうな知識プレゼントしようぜ
あー王達の写真が待ち遠しいぜ
────
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◆
さて、創作意欲が刺激されたのである。
まずはネット検索であやつらの言ってた事を調べるか……。
ふむふむ、パワードスーツは前世の時に似たような物があったが、ビームサーベルとやらは浪漫があるな。
むむ、パイルバンカーとか浪漫の塊ではないかッ!
これは作るしかあるまいッ! 素材もあるし、いけるであろう──
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「お兄ちゃんッ! ご飯なのですよッ! フィーリアが部屋に入れないって言ってたのですッ!」
「ん? あぁ」
どうやら、かなり集中して作っておったようだ。入れぬように結界も張っておったからフィーリアに気付かんかったな……悪い事をした。
フィーリアの武器も作ったし、後で渡せば良かろう。
そして、我は浪漫武器を試作品ではあるが完成させたぞッ!
試作品としては良い出来だ。
今はただの棒であるが、魔力を込めれば剣となる。
ビームサーベルとはかなり便利そうだ。さすがにパイルバンカーは屋内では使えぬな……。
あやつらは良い情報をくれるので助かる。
それに四天王という事は我の部下か……昔が懐かしい。
そんな事を思いながら我は部屋の外に出る。
「またご機嫌なのです!」
「わかるであるか? 我に部下が出来たぞ?」
「友達の次は部下なのです? 現実を見るですよッ! どこにもいないのです!」
うぐッ……痛いとこを突きよる……。
さて、ミラがいるのは丁度良い。
魔力を多めに込めた『鑑定眼』をミラに使用する──
名前:ミラ・レイモンド
称号:『剣聖候補』
──やはり、称号欄にあるか……。
既に母上に迫る速度で強くなっておるから、あるとは思っておったがな。
ちなみに我は『先導者』と『元魔王』と記載されておった。
元魔王は消しておくか……いらぬ疑いが出るからな。
歩きながら隠蔽しているとミラから──
「そういえば──ミラ、王太子殿下と婚約するらしいのですッ!」
「へ?」
──そう言われ。
次の瞬間──
『父上はどこだァァァァぁぁぁッ!!!!』
──と叫んだのは言うまでもなかろう。
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