第2話「ケーキ屋のプリン美味しいよね←わかる」(2)
「ふむふむ、なるほどね。
と、ようやく
おっと、それは僕の仕事なのに。
なんて思っていると、
…………。
え、いきなり何……怖い。
僕に聞こえないよう、一体何の話を……。
様子を見ていると、
さすがに聞き耳を立てるのはダメだろうし、何の話ですかと横槍を入れるのも野暮だろうし。
それと、
「ということだから♪」
「はぅ……あ、ありがとうございます……!」
そこだけははっきりと聞こえたけど──一体なんの話で
以前から店員と客ということで面識はあれど、ほぼ初対面みたいなものなのに⁉
テーブルを綺麗にしたお礼か⁉ それとも水を持って行ったことか⁉ それなら僕がやって
違うだろうけど。
「へっへっへ。
カウンターの中に戻ってきた
本当にここ、メイド喫茶みたいだな……。自由な職場だ。
普通は店員と客の立場が逆だろうけど。
「なんの話してたんですか?」
気になるし、話の流れとしても問題なさそうだったので聞いてみる。
「私が胸元を何故開けてるかの話だよ♪」
「たしかに説明してあげた方がいい話ですね‼」
いやでも、
絶対違うと思うけど……。
「うそうそ。でも説明しとこうかな♪
「なんでですか⁉」
「いやぁ胸大きいとさ、どうしても視線感じるでしょ? 隠してても隠してなくても。もうそれなら逆に1回見といてもらおうと。こういうのって1回見たら満足しちゃうもんなんだよね。あぁ、あの子の胸1回見たわって。もうええわって。
「ぜ、全然わかりませんが⁉」
言って
そうなのだ。
幼馴染ということもあり、ずっと見てきた(語弊があるけどずっと一緒にいたという意味だよ。ずっと
幼馴染ゆえ、言及するのも変なのでこれは言及を避けていたが。
そういう意味ではなるほど──
それに、
「というわけで、ほら、触って! 柔らかいよ、ぷにぷにだよ。触るとサービスするよ?」
「めちゃくちゃ怖いんですがーっ⁉ 触るとサービス料とか取るタイプのお店⁉」
女子同士がイチャイチャしていた。
今まで知らなかったけど
「ふふ、私はおっぱいを触ってなんて一言も言ってないよ。ほら、私の眼球触って」
「猟奇的ーっ⁉ もっと怖いんですが⁉」
「おっきくて柔らかいよ? さあ両手で揉み揉みと」
「おっぱいみたいに言わないで欲しいんですがっ⁉」
そこまでやって
「
「う……!」
なんて。
くだらないやり取りをしている間に注文のオムライスが出来上がったようだった。
マスターから完成の声が掛る。
さすがに職務放棄がすぎている気がするので僕は意味もなく全力で
言われるまでもなくごゆっくりはしていただろうけど。
「な、なんだか食べにくくなったじゃない……。いただきます」
そう言って、
うん、これこれ! と言わんばかりの幸せそうな食べっぷりの
「なるほど。これはたしかに近くで眺めていたくなる食べっぷりだ!」
「でしょ?」
と、僕は感慨深げに首肯する。本当にいつ見てもいい眺めなのだ。
また恥ずかしそうに顔を真っ赤にしていた。
それでもオムライスを幸せそうに頬張っている。
勿論、自腹で。
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