第4話 俺の今後について考えた

無職を授かった俺はその後について色々と悩んで一応の決断をしてから寝て次の日の朝を迎えた。


朝はショコタンメイドのクリスが俺を起こしにやって来る。

しかも、上半身裸で俺の寝ているベットに忍び込んで、俺の耳にこう囁くのだ。


『レオン坊ちゃま....起きて下さい....起きないとイタズラしますよ?』


その声で俺は目を覚ますと


「おはよう...って苦しい...うううう」

クリスが自分の胸を俺の顔に押し付けるのだ。

俺は、クリスの胸から逃れると毎度の事である脳天チョップでクリスの頭を叩く。


『いたああ。何をするのですかあ?』


「おい、クリス! その起こし方は止めろって言っているはずだ!」


『そうですかあ? いつもの坊ちゃまでしたらそのまま私の胸を揉んで喜んでいたのにね♡』


「昔の俺とは違う! いい加減にしないと.....俺は此処を出て行くぞ!」


『それは止めて下さい.....うえええええん』


「ウソ泣きはするな! 俺をイジるのは今日から厳禁だ!」


『は~い....チェ。(あと少しで私の好みの男の子になったのに)』


「何がチェって言っている! 早く服を着ろ! いいな!」


『はあい.....しょうがないですね?』


「クリス。それよりここの院長先生は俺の事を知っているのか?」


『知りません。今は坊ちゃまと言っていますが、院長先生には私の親戚の子で名前は本人から聞いて下さいって言いましたから』


「それで構わらない。此れからはリオンではなく「ユート」で呼んでくれ」


『どうしてですか?』


「理由は簡単だ。リオンと言うとお前が以前ロックバーク家の侍女をしている事をわかっているはずだ。そうなると他から俺が生きていると思っているはず。」


『それで、私の親戚の子でユートと言う名前でしたらバレないと言うのですね?』


「そう言う事だ。それで俺を起こした後は?」


『朝食の時間です。一階の食堂までお願いしますね?』


「分かった.......クリスお姉ちゃん」


『ク.....クリスお姉ちゃん......。何て良い響きなのよおおおお!』


俺がクリスの事をクリスお姉ちゃんって言ったら顔を真っ赤にしながらフニャフニャしていたのだ...本当にショコタンだよなあ。


俺は一階の食堂に行って朝食を食べ始めた。


『ユートさんって言いましたね、どうですかここの食事は?』

ここの院長が俺に微笑んで話をして俺は、


「少し塩味が薄いですけど美味しいです」


マジでこの料理の味付けは塩味が足らんのじゃあ!

しかも、この院長先生ってなんと言う姿で言うのだ?

頭は黒いフードをかぶっているが.....体型が.....まるでドラム缶見たいな姿の肝っ玉おばちゃんそっくりだ(優斗は日本の大阪の出身の為、つい関西弁を話す癖がある)

院長先生にザクソンの街の事を聞くと色々と分かって来た。


このザクゾンはベルマーク王国の王都から南へ馬車で1週間ほどかかる距離にある街で特産は畜産と農業が中心でベルマーク王国中の農業と畜産を一手にしている街だ。

治安は領主でるライオネット=ザクソン伯爵の手腕によって盗賊により強盗や窃盗が殆どなく、奴隷もいない街であった。

実はライオネット=ザクソン伯爵はベルマーク王国内で5大貴族のひとつで政治には興味がなく国で言うと農林大臣の職を与えている。

残りの4つの貴族の一つは国の防衛をしていたが、既に壊滅していた我がロックバーク家。

商業大臣を務めているライオネル=ハミルトン伯爵

王都の近くに住んでいる宰相のグレイク=ラインバルト公爵。

財務を務めているギレン=ベルハイト伯爵の5つが5大貴族と言われていた。

我がロックバーク家が壊滅したのでベルマーク王国の防衛には子爵から上がったメルビン=ガーネット伯爵が務めている。

これは、後で色々と聞かないと今後の活動に支障が起きるからなあ。


「それでクリス。貴方は此れからどうするの?」


クリスに対して院長が身の振りを聞くとクリスは


『私はこの孤児院にシスターとして行きます。院長先生もこの教会と孤児院を先生以外の人入れて3人だけでは大変だと思いますが?』


なんとクリスはこの教会でシスターとして行くそうだ。

しかし、表向きは人数不足と言っていたが....本音はここの子供達が小さいからだと俺は考えた。

この孤児院では8歳から15歳までの間孤児院で保護している。

15歳になると孤児院から出て行き、主に雇われ農夫として生きて行く事に。

今孤児院にいる子供達は俺を含めて約40人ほどで殆どが8歳から10歳の男の子が多い。女の子は8歳から商人の手伝いや、下級貴族の従女見習いをしている。


「ユートさんは15歳になったらどうするの?」

今度は俺に尋ねてくる院長先生。


「俺は15歳になったら冒険者になるよ、その為に勉強する事はするつもりだ。特に薬草摂取してくると孤児院のお金になると思うので」


「そうね....『職なし』のユートくんでは大変だと思うけど?」

院長先生、何で俺の事、『職なし』って言うのだ?

そうか、此処は教会でもあったのを忘れていたっけ?

それで俺が運び込まれた時に信託をしてわかったのか......。


「院長先生。大丈夫だよ。職なしでも冒険者は出来るはずだと思う。冒険者になるには職業は関係ないし、犯罪履歴がなかったら誰でも入れると聞いているから」


「その事は誰に聞いたの?」


「それは....亡くなった俺の父ちゃんから聞いたから。だって俺の父ちゃん、冒険者だったんだ。そうだよね、クリス姉ちゃん?」


『うん...そうですね....さすが我が甥っ子だわ』

ナイス! クリス! いい返事だ。このままでごまかせよ?


「そう言うのなら、シスター・クリス。今後はユートの薬草採取を教えて下さいね?」


『ええ! どうしてですか!』


クリス! お前は....孤児院の中にいるつもりだったのか!

お前に取って此処はパラダイスだからな!

まあ、クリスのパラダイスの為にフォローでもするかあ。


「院長先生! 実は俺、薬草採取は父ちゃんから教えてもらったので一人で十分だよ? 魔物除けはクリス姉ちゃんが用意してくれるって言うので良いかな?」

俺は院長先生に甘えた声で話すと


「もう..しょうがないですね.....もしも何かあったらシスタークリスにお仕置きをお願いするね? 良いシスタークリス?」


『お仕置き.....はい! 院長先生!』

お前....喜んで答えたな!


「それと院長先生。薬草採取に行く日ですが、俺の体調が完全になったら次の日から行きますね?」


「はい。いいですよ? それとユートさん、シスタークリス。今日から貴方達二人は同じ部屋で寝起きしてね? 理由は貴方達が親戚同士だから」


「ええええええ!」

院長先生の言葉に驚いた俺と


「わああああああい!」

俺の顔を見て目が♡になっている自称ショクタン・シスターのクリス。


「ユート。朝食が終ったので一緒に部屋に行きましょう♡」


「嫌だ! 嫌に決まっているだろうか!」


「本当に....照れ屋さん♡」


「照れていないわ! おおおお! なんちゅう力なのだ!」


クリスは俺をお嬢様抱っこしながら自室に行くのであった....。

こうして俺はクリスと同じ部屋に住む事になる。

毎日、あの行為が続くと.....俺の貞操の危機が......と思うユートであった.....。




~作者より~

いよいよ最初の冒険が始まります。

ご期待下さいね

面白いと思った方、または続きを見たい方は是非評価をお願い致します。


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