拾い物だ
バブみ道日丿宮組
お題:子供の彼女 制限時間:15分
拾い物だ
誰にでも秘密はある。
ベッドの下やら、図鑑の中身、ノートなどにそれらは配列されてることが多い。
「今度、足を買ってるくるからね」
「あんまり無理しないでね」
僕の場合は、ベッドの上がそれだった。親に見つかったら、通報されかねない。
そこにいるのは、両足のない少女。
しかも拾いものだ。
一人旅行でドライブをしてる夜道で発見した。見つけた時、それは人に見えなかった。肉の塊、まさにその言葉が正しい背景だった。
両手、両足。それらがないのに、それは生きてた。いや……それだけ書くとしょうがい者をけなすことになるから付け加えるが、山奥にある旅館の途中にはなにもない。木しかない。人間が落ちてくるなんてことはありえない。
これは生命の神秘だと思った。この状態で何分、何時間、何日を経ったのだろうか。
性器から判別するに、少女。
身体はそんなには大きくはない。
どうしてこんな状態の人間が転がってるのかと不思議に思ったものの、好奇心がまさり、車の中にいれた。彼女は眠ってたため、旅館の部屋につくまで起きることはなかった。ちなみにトランクケースに入るぐらいの大きさだった。
はじめて聞いた言葉は、ありがとうだった。
旅館でご飯を食べさせたところ、彼女はどうしてそうなったのかを話してくれた。
なんでも親の借金のために、身体のパーツを買われたらしい。それで死なないようにいろいろとされたとのこと。愛玩具として使われるという話だったが、あまりにも身体が子ども過ぎるとのことで捨てることにしたらしい。そうして山奥の道路に置かれたとのことだ。
叫んでも人はこなかったし、動物に食べられて死ぬか、飢えで死ぬと思ったと。
今じゃ機械化なんてものは一般的で、彼女に両手を買ってあげることはできた。ただそのお金は膨大にかかる。
2人生活するためのお金も稼がないといけないしで、けっこう大変だった。
でも、彼女は癒やしだった。
一人旅行なんてものを趣味にしてたのが馬鹿になるくらい楽しかった。
いずれ親に紹介することにもなるだろうが、その前に両手足を揃えてあげなければいろいろと疑われるだろう。
拾い物だ バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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