おっさんが異世界に行ったら…こんなもんです

おじさま

第1話 日常の終わり

「フゥ…」

 私はタバコに火をつけ一息。

 何をやるわけでなく、スマホをいじっている。

 趣味や人付き合いも特になく、仕事もブラックというわけでなく、収入も多いわけでもない。

 結婚もしてなければ、恋人もいない。

 そんなアラフォーおっさんの休日なんてこんなものだと思う。


 最近の暇つぶしと言えば、スマホで無料漫画や無料小説を読んでいた。

 昔は週刊雑誌を読んだり、書籍を買ったりしていたものだが… 手軽にが大きい。

 あまり知識も興味もなかった私だが、そのせいかスプラッター系や異世界系の情報がやたら多くなった。

「でも、そろそろ飽きてきたなぁ…」

 ある程度読み漁った私は、連載ものも待ち遠しいという気にもならずそう呟く。きっと枯れてきているんだと思う。

 もう少し潤いのある人生なら、テンプレ展開もあって異世界に…なんて事もあるんだろうなと思ったりした。

 しかし、毎度休日に部屋で一服しながら、スマホを弄ってるだけのおっさんには縁がない話だ。

 

 ほんと、そう思っていた…というか考えもしなかった…

 私、市川 悠一はタバコの火を消しながら、不意に意識が途切れたのであった。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る