屋上
あの給料日以来、つまりは一週間目黒さんはバイトに来ていない。
何でも風邪で体を壊したらしい。
本当に体を壊している可能性もなくはないが、どう考えてもプレゼントが原因だろう。
心配なので、電話を数回かけたのだが反応はなし。
LINEを送ってやっと1日後に帰ってくるぐらいだ。
目黒さんと普段、教室で一緒にいる美澤に目黒さんの様子をそれとなく聞いて見たがわからないとのこと。
打つ手なしになり途方に暮れていたら、LINEの通知がなった。
...目黒さんからだ。
「今まで、ありがとうございました。味方になってくれたのはあなただけでした。さようなら」
...頭が真っ白になった。
俺は震える手を抑え、親指に力をコメながら文字を打ち込んだ。
「今、どこにいるの?それだけ教えてください。本当にお願いします。」
メッセージを送るとすぐ既読になった。
「屋上」
とだけ送られてきた。
それから何度メッセージを送ったが既読になることはなかったのだった。
それから俺は全力で走っていた。
目黒さんを止めないといけない。
これだけはハッキリしていた。
正直、言って俺は何がなんだかよくわからない。
アニメやゲームだとこういう時は必ず行動前のキャラの言動に含みを持たせたりなどの伏線がある。
...勿論、これが物語の世界ではない現実であると言うことは重々承知だ。
確かに目黒さんは傷を見られた時、つらそうにしていた。
家に入れてもらえない時に顔をしかめていた。
だが、それだけだ。
つい一週間前までそんな素振りを見せていなかった友達が死を選ぼうとしている事が信じられなかった。
俺は目黒さんの親に腸が煮え繰り返る帰るような殺意をもちながらただ走った。
周りの生徒からは廊下を走っているからか白い目でみられる。
でも、そんなの関係ない。
...目黒さんは何を感じどんな思いで自殺をしようと思ったのだろうか。
どれ程の痛みに耐えた続けていたのだろうか。
...それがわからない、ただ安全圏で指を咥えて見ていた自分が憎い。
言わば、傍観者だ。
あれほど、冷笑していたヤツらと同じだ。
2分程走ってやっと屋上のドアの前についた。
俺は何も考えず、それを開いたのだった。
作者から~
時間経過早くて、すみません。
目黒さん視点もこれから書いていきそれで補填していくのでご安心下さい~!
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