第125話 進捗
警備隊も人数が揃った為、今日からはコタロウ、リュウとまた一緒に行動出来る。
コタロウたっての希望で背に乗り、皆の様子を見て回る事にした。久しぶりの大きいサイズのコタロウの背中は、ふかふかしていて眠くなってくる。
ドワーフ達はフェデリコ用の建物作りの最後の仕上げに掛かっていた。
「お疲れ様!立派な建物が出来たねー。」
「そりゃそうさ。良くは知らねーけど、ここでお偉方が話し合ったり、商談したりするんだろ?」
「なるほど!面子は大切だね!」
てっきりフェデリコ専用の宿舎みたいな物かと思ってた。
ここが出来たら次は学び舎と、子供達と子供達の世話をしてくれる女性達専用の家を作ってくれるそうだ。クレマンが早速依頼してくれていた。流石仕事が早い!
子供達の住む家か・・・。せっかくなら子供達が楽しい家が良いな。
2階から1階に降りる階段横に滑り台。梁にはブランコを吊るして。子供部屋のベッドは2段ベット。少し大きくなった子にはロフト付き。
楽しくなって来てどんどんイメージが広がっていく。その結果ブツブツと独り言を呟いていたらしい。そんな独り言を拾ったドルムとボルグが、これでもかというくらい目を大きく見開いている。
「その話、詳しく聞かせてくれねーか?」
「2段ベッドとはどの様な物なのですか?」
興味津々の2人に簡単な絵を書きながら説明する。
私の説明を聞いた後、ランランと目を輝かせた2人は、全速力で走り出した。子供達の家の予定地となっている、教会横の空き地に向けて。
あれー?フェデリコの館はこのまま放置?大丈夫かな?
次に向かったのはエルフ3姉妹のお店。お店に入る前に、コタロウとリュウには一旦小さくなってもらう。そのままの大きさじゃ入れないからね。
2匹を抱っこしながらお店に入ると、丁度3人が何やら話し込んでる所だった。
「桜様!昨日は助けて頂き、ありがとうございました!」
「「ありがとうございました!」」
改まってお礼を言われると少しむず痒い。でもとても楽しそうな3姉妹の顔を見ていると、悪い気はしないよね。
「そう言えば3人共、耳を隠すの止めたんだ。」
エルフの特徴的なとんがったお耳が見えていて、それがとても良く似合う。美人エルフは目の保養だよね。
「はい!ここでならそのまま過ごしても大丈夫だと思うので。」
「それにメルロスは耳を隠すのがまだまだ苦手なんです。」
「もう!それは言わないでー!」
確かにメルロスは、エルフだとバレて捕まったんだったよね。
そう言えばメルロスをまだ鑑定してなかったな。しなくても良いんだけど、エルミアとララノアを鑑定したから、何となく気になる。少し見させてね。
メルロス ( 58 )
HP 1000/MP 3000
【魔法】
風魔法・水魔法
【スキル】
糸生成
【シークレット】
エルフ。エルミア、ララノア三姉妹の三女。
糸ーーーー!!!3人揃えば何でも作れちゃうんじゃないの!!まさに求めてた人財だよーーー!!!カイ大手柄だよ!
「丁度今、桜様が書いて下さった浴衣の絵を元に、話し合いをしてたんですよ!」
「早速だね。嬉しいんだけど、疲れとか残ってない?大丈夫?」
「大丈夫です!早く作りたくてウズウズしてるんです!」
ドルム達もそうだったけど、物作りに携わる人達は、皆新しい物に目がない。
「それじゃあ浴衣制作任せるね!」
「「「はい!お任せ下さい!」」」
声もピッタリ揃った頼もしい3姉妹に浴衣は任せ、次は調理用魔道具を依頼しているグレイソンの元へ。
「お疲れ様ー!調理用魔道具は出来た?」
「おう!出来てるよ!」
「出来てるの!?やったぁぁぁぁぁ!」
これでアイスクリームも作れるし、生クリームを泡立てるのも楽になる!
「これ多分数が必要になるかも。量産できる?」
「おう!任せとけ!」
「さっすがグレイソン!とりあえず10台ずつよろしくね!」
「お、おう・・・。」
思ってた数より多かったのか、少し顔色が悪くなったグレイソン。後でグレイソンにも元気湯を5ダース程差し入れた方が良いかな。
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