第2話

 いつもの風景。

 屋上の、なんか登れるところの、上。ここらで、最も高い場所。太陽の感じも、そこそこ。雲は少ない。


「あ?」


 気配。

 誰か登ってくる。


「あ」


 けわしい眉間が、現れる。そして、綺麗な顔。

 登ってきたのは、彼女だった。


 なんで、ここに。


 訊こうとして、やめた。

 べつに、会話をするぐらい仲がいいわけでもないし。隣なだけ。


 彼女。


 何もせず、かといってこちらを見るわけでもなく。

 いや、ちらちらとこちらを見ている。


 景色が綺麗だった。

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