17

「それは、私と、付き合ってから?」


今だって、君は


こんな、酷い事をした僕に向かって、


いつもと変わらず、笑いかける。


「そうだね」


「私は、あなたの、恋人だよね」


「そうだね」


「…もしかして、私の事、嫌いになった?」


そんな馬鹿な。


口では言えないけれど、君の事を、嫌いになった事なんて、一度もない。


ああ、それでも、その問に、こう答えたら、君は


僕の為に傷付いて、


あの日の様に、涙を流してくれるのかな。


「…そうだね」


そう、答えた私の目の前で、彼女は、相変わらず、笑みを浮かべた。


頬に、一条の涙を、走らせて。


「………」


言葉が、出なかった。


線香花火の、小さな青い光に照らされて輝く、その水線は、


私が、あれ程焦がれたもののはずで、


やはり、記憶の中の、あの日の様に、


美しい事に変わりはなかった。


それなのに、


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