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君は何時だって、私の隣で笑っていて、
今だって、こうして他の女と会っていることに、君はきっと、気付いているんだろうに、
あの時の涙を、私の前では流してくれない。
一度でいいから、私の為に、泣いて欲しかったのに。
そう思うと、苦しくて、君を見る事すら、私には出来なくなって、俯いて、目を背けるようになった。
向けてくれる笑顔より、流してくれる涙の方が嬉しいだなんて、私の心は、どうかしているんだ
だから、
あの日の事を、誰かに弁明出来る機会を与えられたなら、私は必ず、こう言うんだ。
『五月雨のせいで、心が少し、馬鹿になっていたからに違いないんだ』
と。
ああ、でも、本当は、
海と緑の香りに当てられる、ずっと前から、
私の心は、馬鹿になっていたのかもしれない。
だって、
どうしようもなく、私は
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