第百二十七話 空と胡桃と冒険者事情
「ど・う・し・て・よ!」
「ふ、ふぇ~~~~~~!」
空が胡桃のもとへ行き、最初に聞こえて来たのはそんなやりとりだった。
なお、当然前者は胡桃、後者は受付のお姉さんである。
胡桃は気分よく冒険者登録をしにいった。
それがどうして、少し目を離した間にこうなるのか。
とりあえず、今は考えるよりするべきことがある。
それは当然。
「胡桃ストップ! それ以上はダメだって! はい、やめ!」
と、空は胡桃と受付のお姉さんの間に割って入る。
そして、彼はそのまま彼女を受付から引き離す。
すると、胡桃は「だって」と空へと言ってくる。
「あの受付の人が、訳分からないこと言ってくるんだもん! あたしのせいじゃないんだからね!」
「ちょっ……だから、一旦落ち着いてくださいって!」
「うっさいのよ、このバカ!」
ダメだ胡桃は完全に冷静さを失っている。
これでは話を聞くことが出来ない。
空はそんな事を考えながら、チラっとシャーリィを見る。
すると、彼女はコクリと頷き――。
「クルミは奴隷だから、冒険者になれないって言われたんだ!」
と、説明をしてきてくれるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます