第16話ごっくんしょうさゆり

「ホフホフ、熱い…。今年の夏は暑いなあ。中川よ」


「はい。先生。暑いです」


(異世界スマホピコピコ)


「それにしてもこの小説投稿サイトはいいものだ。わしの著書は何冊も出ておるが、こうしてネットでひっそりとペンネームで執筆するのもいい。女将を呼べッ!このあらいを作ったのは誰だぁ!!」


「先生…。ペンネームで書かれてらっしゃるんですか?」


「ふん。まあ小説投稿サイトでわしの名前をそのまま使うとあれだろう。ハンデだ。ハンデ。ポン酢のポンとは冷やし中華ふざけるな!」


「それでそのお…、先生のペンネームはどんなペンネームをお使いなのでしょうか?」


「ふん。リアルでは誰にも教えるつもりはなかったのだが。中川。お前にだけは特別に教えてやろう」


「ありがとうございます」


「『ごっくんしょうさゆり』だ」


「はい?」


「同じことを二度言わせるな。『ごっくんしょうさゆり』だ」


「あのお…。怒られます。消されます」


「何を言っておる!ちょっと前の映画でも『よくしまるひろこ』に誰も怒ってなかったであろう!『よくしまるひろこ』をエゴサしたら山ほど出てくるが『ごっくんしょうさゆり』だと誰も言ってない!それを使ってどこが悪い!」


「先生…」


「いいか。作品が良ければペンネームなど二の次であろう。ス士郎に言っておけ。大阪王将の炎上で隠れてるがお前の炎上はこれからだと」


「先生…」


「それは酢のせいだ」

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