第7話評論7
「お兄さーん」
「ん、わしのことか」
「そうですよー。着物が似合うダンディな方ですねえ。お店をお探しですか?」
「ふん。このわしに向かって店探しとは。まあよい」
「よろしければ一時間三千円飲み放題でご案内しますよ」
「このたわけが!このわしが飲み放題など!だがまあよい。こっちに来てまだ日も浅い。これも何かの縁なのかもしれぬ」
「どうぞこちらでーす」
~怪しいお店の中へ~
「きゃー!おじさまシブーい!素敵ー!」
「ふん。わしはお喋りに来たわけではない」
「じゃあ乾杯しましょう♡私も飲んでいいですか?」
「ふん。女子供に味の何たるかが分るとは思えぬが。まあよい」
「いただきまーす♡おじさまは何飲まれますか?」
「ふん。この店が自信を持って出せるものを出してみよ。この海原(うなばら)雄山にな」
(ボーイさん、グラスとJINROのボトルと氷を運んでくる)
「じゃあ水割り作りますねー」
「ふん。ん!?待て!ちょっとその氷を見せてみよ」
氷をひとつかみ。ガン見。
「…、こ、これは…(氷ペロリ)!?ま、まさかこんな店であのジャスパー、カナディアンロッキーの…、大氷河、三百メートル下まですべて氷であるあの…」
(ポカーンとするお姉さん)
「ん!?そっちの水!それは!!!(一口ごくり)!?こ、こ、これはまさしく!!あの南米ペルーにある砂漠、その本物のオアシス『ワカチナ』の水…!!店主を呼べッ!」
(怖そうなお兄さん登場)
「どうされました?お客さーん」
「この店、ただの店ではないと見た。まさかこんな店に出会えるとはな。この店の名を聞いておこう。是非贔屓にしたいと思っておる」
「(え?何言ってんの?このおっさん)あ、うちの店名は『ボタクール』って言いますが」
「『ボタクール』か。この海原(うなばら)雄山の頭に刻んでおこう」
異世界スマホぴこぴこ。
『ボタクール☆10
素材だけで本物が味わえる素晴らしい店。こんな素晴らしい店はなかなかお目にかかれないであろう。店への案内人やチープな内装に騙されてはならぬ。物事の上辺ではなく本質を見るべきことを改めて思い出させてくれるであろう』
「すいませーん。お会計でーす」
(伝票『五十八万二千円』)
「ふん。手持ちの百万を置いていく。釣りはいらぬ。また寄らせてもらうぞ」
「ありがとうございましたー♡」
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