この作品がすごい!(ネタバレ含みます)
エブ○スタにも同じ内容で公開してます🙇♀️
Kindle等で読み漁った中で、特にすごいなぁと思った作品を紹介。話が面白かった作品はすごくたくさんあったので『面白い』話ではなく、小説として『すごいなぁ』と、個人的に思った作品の紹介です😊
これは本当にすごいショートショート作品。
井上雅彦さん『よけいなものが』
曰く付きの場所に肝試しにきた男女の会話のみの構成。冒頭とオチの一部の紹介から
(省略)
「まぁ、どうしてそう思うの」
「怖い話を聞いたりして震えている時の君が一番魅力的だからさ。そんなキミが見たくて、わざわざこんな真夜中についてきたんだ。おや、変だぞ」
「どうしたの」
「今のセリフ、さっきも言ったような気がするんだがな」
(中略)
「おや、どうしてそう思うのかね」
「怖い話を聞いたりして震えている時のあなたが一番魅力的だからよ。そんなあなたが見たくて、わざわざ真夜中に……あら、変ね。今のセリフ、さっきも言ったような気がするんだけど……」
(終わり)
この話のすごさは説明できない🙇♀️
中略箇所では、この場所で起こった数々の怪現象を語っていますが、会話の中身が全て伏線になっていて、そこから流れるような見事なオチが、ほんと脱帽でした!
私が読んだのは『再生 角川ホラー文庫ベストセレクション』て、アンソロジーですが、他の本にも収録されていると思います。
かなり古い作品ですが、この短さでここまで巧みな作品はあまり見たことないので、是非読んでください😊
◇◇◇◇
阿泉来堂さんの『ナキメサマ』
ホラーとしても上質で面白かったんですが、多分、叙述トリック? のところで評価が高いように思います。
めっちゃネタバレ含みます🙇♀️
(あらすじ)
高校時代の恋人、小夜子の友人が突然、尚人のところに訪ねてきて、音信不通になった小夜子を一緒に探して欲しいと言われて、小夜子の故郷の村に向かうことに。
小夜子が村にいることは分かったけれど、儀式の巫女に選ばれたため、会うことは叶わない。
しばらく村に滞在することになった尚人達は、神社を徘徊する異様な人影と遭遇。
更に人間業とは思えぬほど破壊された死体が次々と発見され……。
尚人視点と小夜子視点が交互にある構成です。
小夜子は儀式のために、世話役の幼なじみ以外とは会うことも話すことも出来ないので、外の様子は幼なじみから聞くことしか出来ない。そして、読者は読すっかり騙される。
同時進行だと思ってたら、時間にズレがあった!
この辺は見事としか言えないですね。『2人組が来た』としか小夜子は聞かされてないので、てっきりこの2人組が尚人たちのことだと読者も騙される。
それと同時に明かされる、神社を徘徊する異様な人影の正体に戦慄😱 登場人物全員変な奴ってのも、個人的にポイント高かったです😆
もう1つのトリックとして『尚人の正体』もありますが、これだけはすぐ分かってしまった😅 だって、不自然に関係のない人間の名前がフルネームで出てくるんだもの、すぐ気付くよ💦 でも、ミステリーのヒントとして必要なのかしら🤔
◇◇◇◇
新名智さんの『虚魚』
(あらすじ)
“体験した人が死ぬ怪談”を探す怪談師の三咲と、“呪いか祟りで死にたい”カナちゃん。
両親を事故で亡くした三咲は、カナちゃんとふたりで本物の怪談を見つけ出し、その怪談で両親を事故死させた男を殺すことが目標。
ある日、「釣り上げた人が死んでしまう魚がいる」という噂を耳にした三咲は、その真偽を調べることにする。ある川の河口で似たような怪談がいくつも発生していることがわかり、ふたりはその発生源を求めて、怪異の川をたどっていく。“本物”の怪談に近づくうち、事情を抱えるふたりの関係にも変化がおとずれて――。
選考委員の絶賛を浴びた第41回横溝正史ミステリ&ホラー大賞<大賞>受賞作。
読んだきっかけは、カクヨムで結構なページが試し読みできたので。
正直、カクヨムの試し読みで読んだ時は、あんまり面白いとは思わなかったです😅 その理由としては、話の起伏が少なく盛り上がりに欠けることですかね?
冒頭面白かったのは、作中語られた怪談話くらい。ちょっと変わったこっくりさんで「その後、そのこっくりさんに参加した全員が、おかしくなったり死んだりした」という怪談話だけ、興味を引かれました。
どうしようかと思いつつ、図書館で借りて続きを読みました。最後まで読んだ感想としては「面白い!」です😊
終盤まであまり盛り上がりはしませんが、全ての人物、全ての事象、作中話のこっくりさんまでも全部が繋がっていて、選評で「過不足のない描写(だったかな🤔)」と書かれていたのが、すごい納得しました!
上と対照的だと思ったのが、第40回の大賞作
原浩さんの『火喰い鳥を喰う』
こっちは、冒頭から引が強かったのです! めっちゃ不気味な、まさしくホラー😱
でも、読み進めるうちにちょっと飽きてきた😅 怪異は起きるし人もバンバン死ぬんだけど、その繰り返しだからかな? なぜかあんまり怖くない💦
選評に「展開が遅く、ストーリーに起伏が乏しい」と書かれていたので、そのせいか😳 と納得! 私は面白い・面白くないとは思ってもその理由がよく分からなくて、たんに「好みじゃない」と思ってました😅
でも、この話もラストがすごく意外で、結果として「面白い!」になりました😊
◇◇◇◇
すごいなぁと思った作家、白井智之さん。
紹介しといてなんですが、好きな作家さんではありません🙇♀️ 読んだのも2冊だけ。
『少女を殺す100の方法』
『人間の顔は食べづらい』
だけです。
以下、ネタバレとともにグロい話もありますので、苦手な方は読まないでください🙇♀️
最初に読んだのは『少女を殺す100の方法』
バラバラの話5編からなる短編集で読みやすいかなと思って、図書館で借りました。
面白いと思ったのは、『少女教室』だけ😓
ただ少女が惨殺されたり、ひどく痛めつけられてる描写ばかりで、読んでて気分が悪かったです😓
『人間の顔は食べづらい』は、Kindleの読み放題にあったので読んでみました。白井智之さんのデビュー作です。『少女』よりはマシだったけど、ミステリーとしてはどうなのかなぁ🤔 とも思いました。
(あらすじ)
安全な食料の確保のため、“食用クローン人間”が育てられている日本。クローン施設で働く和志は、育てた人間の首を切り落として発送する業務に就いていた。ある日、首なしで出荷したはずのクローン人間の商品ケースから、生首が発見される事件が起きて――
あらすじから、すでに気持ち悪い😅 しかもこの食用クローン、自分自身なんです!😱
グロい描写が多いですがちゃんとしたミステリーで、アリバイトリックにもクローンが使われていたり、ラストもどんでん返しがあってそこそこ面白かったんですが……トリックなどが、なんか微妙に感じました💦
本格ミステリーじゃないから、あまり気にしちゃいけませんね😅
白井智之さんをすごいと思った理由は
「こんな話、この人しか書けない!」
というところです。
上記2冊以外にも著書がありますが、タイトル見ただけで『グロい』と分かるものが多いように思いました。この『グロい』をどう思うかで、評価が真っ二つに分かれているみたいです(Amazonのレビューを見て)
こういう作家さんって、ベストセラーは出なくても一定のファンは付くので長く作家を続けられそうだし、何より『自分にしか書けない話』を書ける人は、ただそれだけで尊敬に値します!
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