スキ、キライ

ももいくれあ

第1話

真っ赤なトマトが光っている。

照りつけるその日差しの中で、

日に日にふくらみ、色を増す。

かじれば土の香りが広がり、

のどの奥になま温かい、

リコピンが、私を潤す。

濃縮されたジュースにはない、

柔らかい色と香りが、

私の朝を支えてくれた。

トマトジュースは嫌いだけど、

トマトは一番の好物だって、

いつか、誰かが言っていた。


私の涙は辛いけど、

笑顔は最高の贈り物だ。って、

みんな簡単に言うけれど、

嬉しくたって溢れ出る、その涙の意味なんて、

みんなには、どうでもいいのかな。

私の中の喜びは苦笑いでしか見せられなくて。。。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

スキ、キライ ももいくれあ @Kureamomoi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

同じコレクションの次の小説