JK３人組が異世界で世直しします！

第１部 JK3人組が異世界で世直しします！

第1話 プロローグ

　むかしむかし、ラドメフィール王国に異世界から一人の女性勇者が降臨しました。

　勇者には一人の賢者と一人の姫騎士がついていました。

　勇者たち３人はラドメフィール王国の上級魔術師とともに奮闘し、

　国の悪しき慣習を覆し、新しく豊かな国を築き上げました。

　そして勇者達が導くこの国は、永きに渡り繁栄してくのでした。

　めでたし、めでたし……。

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　市内の図書館で制服の違う女子高生達が絵本を眺めている。

「穂積（ほずみ）、異世界ものって絵本にまで浸透しているのですわね」

　穂積と呼ばれた女子高生は大きな欠伸をした。

「興味ないね」

　興味がありそうなもう一人の女子高生がパラパラとページを進めている。

「私が書くならもっと面白くするけどね」

「皐月（さつき）なら、きっと傑作が書けそうですわね」

「皐月、稀星（きらら）、そろそろ行くよ」

「おっけー」

「穂積、待ってください」

　穂積（ほずみ）、皐月（さつき）、稀星（きらら）の何気ない日常風景。

　まさか自分達が物語の主人公となるまで秒読みの段階であったとは、

　露程も知らないある平穏な昼下がりだった。