描く君の心の絵
静香
第1話 要らない気がしたから
「ねぇ...この服まだ着れるのにもったいないなぁ...」
早く新しい服を買って、雑誌に載っている
“お姉さんたち”の様な憧れに次々目が行く私は、処分の訳を独り言のように家族に告げていた。
兄弟は、“またいつものわがままだろ”等と考えているだろうし、母も聞いてくれている様子はあるが、思案しているようであった。
「フリーマーケットでリサイクルするのはだめ?」
私は、単純に新しい服の資金にしたいだけだが、用意等、タイトなスケジュールの中厳しいのは自分でもわかっていた。
「ひとりでも出品してくるーっ」と軽快に話すものの、家族はまた呆れていた。
母曰く、“経験”。
晴天決行の日!
私は、春の陽気にピクニック気分で不要になった洋服、ぬいぐるみ、アクセサリーなどを
ディスプレイして、心が踊っていた。
付き合わされる両親は、せっかくの休みに、
娘のゴミ売りお店屋さんごっこに、浮かれない顔...。
こんな不思議な1日はどんな日になるのか、
私にもその日集まっている出品者にもわからない一期一会の開始時刻がきた!
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