第10話

春になり私は中学生になった。

幼稚園の頃から仲良しの友達と真新しい制服を着て校門の前で写真を撮った。

これから3年間どんなことが待ち受けているのか楽しみでしかたなかった。

入学式も終わり、家族みんながお祝いしてくれた。

最近、両親は喧嘩をしなくなり毎日楽しく生活している。

こんな日がまた戻ってくると思わなかったのでリビングで笑い合ったり、1日の出来事を話したり皆んなが当たり前だと思っている生活を私も生活していることがすごく嬉しかった。

この、皆んなが当たり前と思って生活していることは、本当は当たり前ではない。

当たり前だと思ってはいけない。

私は幸せだと思って生活するようになった。

だからこそ、両親を悲しませないように毎日楽しく生きることが毎日の目標になった。


いくら辛くても、絶対に負けない。

そんな想いで学校に行った。


小学生の時、すぐにいじめられてしまったので中学生になっても虐められてしまうのではないかと両親を心配させていたかもしれない。

だからこそ、毎日何があったかを隠さずになんでも話そうと思った。


学校に行くと新しい机と知らない人たちがいっぱいいた。

私の中学は、4つの小学校から集まっていたので1学年のクラスがとても多かった。

友達とは、クラスが離れてしまったので仲のいい友達がいなかった。

最悪なことに、小学生の時にいじめてきた男の子と一緒のクラスになってしまった。

最悪すぎて言葉が出なかった。

またいじめられてしまうのではないかと不安になった。


1週間ほど経ち私はたくさん友達ができた。

1学期はスキー林間があったので私は友達の中でも一番一緒にいて楽しい子と一緒の部屋に泊まることになった。

初めてやるスキーだったがすごく楽しくてあっという間に終わってしまった。


そして、体育祭などいろいろな行事が終わったある日友達の様子がおかしくなっていった。


友達に私はどうしたのか尋ねた。

そしたら


「A君と付き合っているんだ。」

私はびっくりした。

その男の子は、私のことをずっといじめてきた人だ。

絶対、友達も嫌な思いをしてしまうと思ったのでやめた方がいいと言った。

そして、

その男の子に今までされたことを全部話した。

それでも、私の友達は別れなかった。

これ以上何を言っても別れることはないだろうと思い、私は見守ることにした。

今の私だったら、何があってもすぐに別れさせていた思うが、あの頃の私は友達に嫌われるのが嫌だから何も言えなかった。


その1週間ほど経つと友達はA君と別れた。

よかったと心の中で思った。

だが、それと同時に友達の性格がどんどん変わっていった。

A君は友達と別れると何故か友達をいじめるようになった。

そんな時、クラスで席替えが行われた。


この席替えが最悪な結果になってしまうことになる。

なんでこんなことになってしまったのか。

友達も、どうしてそんな性格になってしまったんだろう。

今考えると、子供だったから許されることであって義務教育だからまだよかったと心から思った。

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