第2話 空中の魔物はどう倒すの?
貧弱な白魔導師のエミリアちゃんを連れて森を脱出する私。
その目の前に例のウサギさんたちがあらわれた。
「ウォーベアです。どうしましょ?」
魔法系女子のエミリアちゃんはかなりの役立たずだ。
「ちょっと待ってね。リボンの性能を確かめるから。」
私は杖をエミリアちゃんに返して、素手で戦う事にしてみた。
とりあえず、ウサギグマの体にパンチしてみた。するとウサギグマは遥か彼方に飛んでいってしまった。
「……ごめんね。まさかそんな飛ぶとは思わなかったの。」
「すごいユウナ様。魔導師タイプなのに武器なしでその強さ…。」
(エミリアちゃん?私のこと様付けになっているよ?)
そのあと残ったウサギグマさん達は勝てないと判断したのか、逃げていった。
このRPGつまんないな、敵弱いし…。プレイヤーが強すぎる設定はダメだよ。
作ったやつに文句言わなきゃ。
リボンを外そうとしたのだが、取れないぞ。これ。
「エミリアちゃん、このリボン外れないんだけど。」
「ああ、呪われてますね。魔女は呪われた装備を身に付けられますから。」
普通に話してくるエミリアちゃん。
「じゃあ一生、私はポニテ女子って事?」私が言うと、
「ソコなんですか?気にするところ…。」エミリアちゃんに突っ込まれた。
町に着くと10メートルくらいある城門が閉まっていた。
「どうしましょ?ユウナ様。町に入れません…。」
「壊すと怒られるしな~。飛び越えちゃおうか?」
「えっ?ユウナ様?」エミリアちゃんは驚いていたが、
「捕まっていて、ジャンプして越えるから。」
そう話すとエミリアちゃんをお姫さま抱っこして城門をジャンプして越えていった。
町の中に入ってエミリアちゃんを、下ろしてあげると。
「ユウナ様…ありがとうございます。」顔が真っ赤になっている。
「お慕いしています。」そう言うと抱き付いてきた。
(巨乳過ぎるだろ、勇者、旅に出ずに魔王放置してヒロインと暮らすぞ。)
この世界でもGLに巻き込まれるのか。そう言うのは勇者様にやってくれ…。
「そういう行為は男性にするもんだぞ、エミリアちゃん。」
「魔法でユウナ様を男性にしちゃう手があります。」
「それは面白いな。やってくれ。」私は変態なのだ。
「そんな白魔法はありませんよ。」エミリアに鎌を掛けられた。
(つまらない。男性化したらこの世界で無双してやるのに、)
町は静まり返っていた。
「エミリアちゃん。町が寂れているよ?」
「数日前はそんなこと無かったのですが…。」
すると上空から
「うまそうな人間がいるぞ。」あっ悪役モンスターがいうやつだ。
「そうだな、兄者。俺はあの白魔導師がいいな。」
さすがは敵さん。基本は弱者から狙うもんな。
「あれはグリフォングロー。強さはウォーベアの3倍です!勝てる人間はこの町にいません。逃げましょう。」エミリアは撤退を推奨してきた。
ん?たった3倍か…。問題点は攻撃が届かない所にあれがいることだ。
「死ね!」羽根の矢か。
「エミリアちゃん失礼する。」
「きゃ!」私は彼女の腰を掴んで物陰に隠れた。
あ~あ、羽根で家が穴だらけだよ。確かにあれを食らうと即死だな。
ダメだよ、もっと段階を踏んで敵を登場させないと誰もプレーしてくれないよ、制作会社さん。これはただの死にゲーじゃん。
「逃げられたか…。まあいい、徐々に追い詰めるだけだ。」
トリさんの兄の方が話している。
「エミリアちゃん、こういうときはどうすると思う?」
「ユウナ様はどうするのですか?」
「兄の方から倒す。敵の指揮を下げるのは強い方から倒すんだ。」
「だから、人間では倒せないって言ったでは無いですか。」彼女は私を叱る。
「教えてあげよう。素手の私はほぼ最強。ポニテの私はこの世界最強だよ。」
そう彼女に話すと、崩れた外壁の塊をトリさんの兄に向かって投げつけた。
トリさんは倒され地上に落ちてきたので、落ちたトリさんを持ってもう一体のトリさんに全力で投げ付けて倒した。
(私は腕力でモノをいわす、怪力キャラか!)
「すごい。ユウナ様…。でも、倒す順番はどっちでも良かったんじゃ?」
「本当だ。トリが弱すぎて作戦はいらなかったね。」
ほら~。制作会社さん。敵と私の強さのバランスがおかしいから勝負にもなんないじゃん!私の乱入で死にゲーがクソゲーになったよ。ちゃんとテストプレーしたの?
このトリ兄弟撃破の情報は町の人にも、魔王にも伝わった。
「宿屋に行きましょう。もう夜ですし。」彼女は言ってきたので、
「そうだな、休んで全回復しよ~。」私が楽しそうに言うと、
「ユウナ様はまったくダメージは受けていませんよ。」と呟いた。
エミリアは優秀な突っ込み要員だね。
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