結婚しないと言われました 婚約破棄でございますね

かくさんすけさん

1でございますわ

わたくし 名前は アイリス・オルソン



ここカサンドラ王国の ネッド・オルソン公爵の娘でございます

家族は 公爵のお父様 昔 侯爵家から嫁いでこられた お母様 今年 12歳になる4歳下の弟 クリストファー この子が 公爵家をつぐのです そしてわたくし アイリス16になりました

公爵家とは 時々 王家の血脈が入ります 先代の公爵 お祖父様の時に 王家から お祖母様が お嫁入りされたのです そして 今度はわたくしが 王家にお嫁入り 第一王子様のオスカー様との婚約12年目 後 半年での挙式でしたわ 今日はわたくしの16歳の誕生パーティーでしたの


それを――

「アイリス!お前のような卑怯ものとは結婚する事など出来ない!ここに婚約を破棄する!今すぐ出ていけ!」


第一王子オスカー様から わたくしの誕生パーティー コホン オルソン公爵家で行われているわたくしの誕生パーティーで いきなり 広言されました



「オスカー様 ここは オルソン公爵家でございます 婚約破棄という事でよろしいのですか?陛下はご存知でいらっしゃいますか?」

「第一王子の私が言うのだ!陛下には 後でご報告する 早く立ち去れ!」



何度も言っておりますが ここはわたくしの家でございますよ?

少し 心配になって参りました

恋とは盲目 何も見えないのでしょう 横に居る方以外は……



「もう一度申し上げます ここは わたくしの家でございます 申し訳ございませんが オスカー様と お連れの方に 退出していただけなければなりません」



「お前は そうやってジャネットをいじめてきたのであろう 公爵令嬢 私の婚約者として なんと心が狭い 可哀想なジャネット 公爵家の権力をかさにして ずっとこの女にいじめられてきたのだろう」



「オスカー様 アイリス様はわたくしの為を思って今まで色々と言ってきてくださったのです それが無理難題でも……わたくしは辛く無かったのです オスカー様がいらっしゃったので」

ポッ


頬を赤らめながらジャネット様がおっしゃってるわ



「あぁジャネット 君こそが王太子妃に相応しい!」

「オスカー様!」


わたくし ジャネットに数回関わった事はございますね あれは……ジャネット様が歩いておられるとき ハンカチが落ちそうになっておりました

「ハンカチが落ちそうになっておりますよ

キチンとなおされた方がよろしいですわよ」

次は

「ドレスの下の方が少し 反っていらっしゃいますよ お直しになられた方が…」


この2回ですわ

よろしいですけれど……

しかも オスカー様

また 王太子などとおっしゃられて


「あの オスカー様? オスカー様は第一王子ではありますが まだ王太子に決まったわけでは御座いませんよ?」




この国は 第一王子だから王太子と決まりは御座いませんの 国の事を思って 一番優れた方が 王太子になり やがて国王になられるのです 勿論 女性 王女様でも一番優れていれば 女王陛下になられることもございますわ



そこを 幾度となくオスカー様には お伝えしてきたのですが お分かりになっていらっしゃらないご様子 まぁ 婚約破棄されるのでしたら わたくしが心配することはないのです 少し 安心します



「そんな事を言って 私の気を引きたいのか!ふふふ みっともない! 婚約は破棄する すがり付いても遅い!さぁジャネット行こうか!いつまでも この女の相手は出来ない!」

「はい!オスカー様」


あ、 出ていかれるのはご自分達とお分かりになられたのですね 安心いたしました



でもホントに良かったのでしょうか?

オスカー様


この婚約は王家の方からの申し込みでございましたのよ?



「アイリス!大丈夫かい?」

「ユアン様 少し 驚きましたが わたくしは大丈夫でございます」


ユアン様はオスカー様の 弟君で わたくしより1つ上の17歳でございます

今日は 誕生日のパーティーにお越しくださいました

「アイリスの16歳を僕もお祝いしたいので是非いかせて貰うよ」

と言って来てくださいましたの


「兄上も何を考えているのだ アイリス私が きちんと陛下 父上には申し上げる 心配するな」

「ユアン様 ありがとうございます わたくしよりより オスカー様は大丈夫でございましょうか?」

「アイリス! 兄上の心配など それほど……」


「?」


「アイリス! これは 一体?どういう事なのかね?ユアン様も……」


お父様が騒ぎを聞き付けて いらっしゃいましたわ


「お父様 申し訳ございません わたくしが至らぬばかりに オスカー様から婚約破棄されてしまいました」


「アイリス オスカー様からの婚約破棄ということか?」

「はい ジャネット様と 改めて婚約されるのだと思われます」


「ジャネット?誰だ それは!」

「ジャネット・カルバン子爵令嬢だよ 公爵」

「ユアン様は知っておられるのですか?その ジャネット令嬢を」

「最近 兄上と一緒にいると 聞いている 済まない 公爵 アイリスをこんな目に遇わせてしまい 王家の者として 謝りたい 父上にもキチンと報告する」


「ユアン様……」


オスカー様 ユアン様 そしてわたくしは 幼なじみでございます

婚約が決まってからは あまりお会いする事もなく たまにお見かけすると ご挨拶をする程度にしておりました


「ユアン様 ありがとうございます 国王陛下には 私もお伺いをいたします 今から 王宮へ参ります」

「では 私も一緒に行こう 実際見ていたのは私だからな」

「それは ありがたい事です 宜しくお願い致します では 参りましょうか」

「アイリス 無理をせず 部屋に戻った方が良い 歩けるかい?」

「はい ユアン様 ありがとうございます」

「では アイリス行ってくるよ 後はお母様に任せるが いい」

「はい 行ってらっしゃいませ ユアン様 お父様」



そして二人は王宮へ行かれたのでした

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